ピアノの調律師になる方法を紹介します!
ピアノの調律師になるには、絶対音感が必要なのか、ピアノが弾ける人、弾けない人だれでもなれるのかどうか?
専門学校に行かないとなれないのか?
専門学校はどこにある?
通信教育はある?など詳しく説明していきます。
今回は、ピアノ調律師になる方法は?専門学校に行ったり絶対音感やピアノが弾けないとなれない?と題してお届けします。
目次
ピアノ調律師になる方法は専門学校に行くことが必須?
ピアノの調律師になる方法は、基本は専門学校や大学、楽器メーカーの調律学校に行って、技術を習得します。
専門学校に通って調律師になる人が多いのではないでしょうか?
ピアノ調律技能検定という国家資格もありますが、今の段階では、専門学校を卒業すれば、ピアノの調律師を名乗ることはできます。
今後は、技能検定の取得が必須になるかもしれません。
調律の専門学校は少子化で生徒がなかなか集まらず、閉校している学校も出てきています。
ちなみに、私が通っていた専門学校も、2018年に生徒募集を停止して、閉校してしまいました。(京都ピアノ技術専門学校)
4年制大学で唯一調律学科があった、2018年に国立音楽大学も別科調律専修の学生募集を停止してしまっています。(国立音楽大学)
現在ある専門学校などをピックアップしていきます。
中部楽器技術専門学校
http://www.chubugakki.ac.jp/subject/piano/
私の知り合いの調律師にもこちらの卒業生がいますよ。
ピアノの国家資格「ピアノ検定技能士2・3級」の取得を目指します。
2年制です。
90分で2回取りができるように訓練し、卒業前には、就職先に応じた研修プログラムがあるようです。
とても鍛えられそうですね!
学費は、初年度納入金が149万円です。
(別途工具代など必要)
ESPエンタテインメント東京
こちらも2年制ですね。
私の知り合いの調律師がこの学校の卒業生です。
調律以外でもあらゆる学科がある専門学校ですね。
中部楽器専門学校に比べると、技術の学べる量は少ないと思いますが、国家資格の対策もしてくれるようです。
楽しく学びたい人はこちらがいいかもしれませんね。
学費は、初年度納入金が150万円です。
日本ピアノ調律・音楽学院
こちらも知り合いの調律師が卒業生です。
こちらも2年制。
ただ、聞いた話によると、授業時間数がかなり少なく、加えてグランドピアノの調律はさせてもらえないようです。
グランドピアノの調律は、就職した後、外回りでさせていただくことは多いので、不安な人は、他の学校を選んだ方がいいと思います。
学費は、初年度納入金が98万円とお安めです。
国立音楽院
https://www.kma.co.jp/department/piano-tuning/
こちらも2年制です。
こちらは国家試験会場に使われている場所だそうです。
もちろん、国家資格を在学中に取得できるように対策しているようです。
慣れた環境で試験が受けられるのは、とても有利かもしれませんね。
学費は、初年度納入金が、昼間部が138万円、夜間部が118万円です。
別途工具代が18.5万円必要です。
横浜ピアノ調律
https://www.yokohama-piano.co.jp/index.html
全日制は2年制でありますが、いろいろなコースがあるようです。
本格的に仕事にして、調律を学びたいのであれば、全日制の2年制を選ぶのがいいと思います。
学費は、全日制の2年制は初年度納入金が310万円です。
分割払いもできるみたいですね。
ヤマハピアノテクニカルアカデミー
こちらはヤマハの調律学校です。
1年制で、学費は360万円。
全寮制ということで、食費や通学費や寝費などが必要ということで、お高めですね。
分割払いもできるようです。
やはりピアノ業界ではトップのヤマハですから、高い技術が学べそうです。
1年でどれだけ習得できるかは、個人の努力にかかっているかと思います。
卒業後は、ヤマハの特約店などに就職しやすいので、その点では安心かもしれません。
カワイ音楽学園
こちらはカワイの調律学校です。
ヤマハと同じ1年制で、学費が218.1万円です。
日本ではヤマハにつぐピアノメーカーです。
私の調律師になったきっかけとなった、憧れの調律師の方は、カワイ音楽学園出身です。
ヤマハと同様1年制なので、1年間でできるだけの技術を習得しないといけません。
卒業後は、ヤマハと同様、自社の特約店や工場で就職はしやすいと思います。
アポロ調律芸術学院
「東洋ピアノ製造」という会社で、「APOLLO」という名前のピアノを現在も販売しています。
現在日本で販売されているピアノメーカーは、「ヤマハ」「カワイ」「アポロ」の三社です。
2年間で少人数だそうです。
こちらの学校は、情報が少なく、詳細がホームページにもあまり記載されていませんので、詳しくはわかりません。
しかし、こちらも以前勤めていた会社に卒業生がいましたし、メーカーの養成学校ですので、安心かと思います。
ピアノの調律の通信教育について
それと、通信教育についてですが、ピアノの調律で通信教育は残念ながら難しいです。
学科のみであれば、オンラインなどで学習することは可能かもしれませんが、実技となると難しいです。
ピアノの調律は、自分の耳で音を聞き分けて、感覚で調整をしていく作業がほとんどです。
微妙な和音のうなりや、倍音を聞き分けないといけませんし、ミリ単位で、部品の位置を調整していかなければいけません。
なので、専門学校に行って、勉強するのが一番の近道です。
調律学校のおすすめ
一番おすすめしたい学校は、やはり母校の京都ピアノ技術専門学校ですが、もう閉校してしまいましたので…
中部楽器技術専門学校は、2年制で、私の知り合いも多くいますが、みんな調律上手ですし、おすすめだと思います。
ただ、就職については、苦労するかもしれません。
調律で就職できる会社は限られていますし、毎年求人募集しているところも少ないかと思います。
しかし、私が以前勤めていた会社は、人手不足で毎日毎日忙しく外回りをしていたので、もしかしたら、今は、人手不足の調律の会社も増えてきているかもしれません。
メーカーの調律学校は、メーカー直々のスキルを身につけられて、就職もスムーズにできて、メリットはあるかも。
しかし、1年制というところが私は気になります。
1年間でどれだけ学べるのか…
他の学校は、授業時間数が少なすぎるので、就職してから、技術の面で苦労することはあるかもしれません。
国家資格のピアノ調律技能士ですが、3級であれば、どの学校でも、きちんと勉強して、練習すれば、ちゃんと取得はできるかと思いますよ。
ピアノの調律師に絶対音感やピアノが弾けないといけない?
ピアノの調律師は、絶対音感がないとなれないとか、ピアノが弾けないとなれないとか、よく聞かれますが、どっちもできなくてもなれます!
なぜどちらもできなくてもなれるのか、説明していきます。
絶対音感
ピアノの調律は、絶対音感を使って調律はしません。
絶対音感は、なんの手掛かりもなく、音の高さがわかるということです。
調律は、まず、音叉を使って基音を取るので、そこの時点で絶対音感の必要はありません。
音叉はいつも同じ高さの音がなります。
音叉の音を聞いて、基音を取り、基音から、ある二つの和音をならして、そこから生じる「うなり」を聞いて音階を作っていきます。
その音階を基準にして、オクターブをとっていき音程を整えていきます。
なので、絶対音感ではなく、相対音感を使って調律していくということです。
相対音感は、訓練で身につくものですので、二音感の和音の「うなり」は訓練すればわかるようになります。
絶対音感とかよりも、ピアノのことが相当好きでないと、この仕事は続けられません。
毎日毎日ピアノと向き合う仕事です。
ピアノが弾けなくても大丈夫?
ピアノの調律師は、ピアノが弾ける!と勘違いしている人結構いらっしゃいます。
ピアノの調律と、ピアノを演奏するということは、全く関係のないことです。
もちろん、弾けるに越したことはありませんが…。
なので、ピアノの調律後、「一曲ひいてください~」とよく言われるのですが、ピアノを弾くのが苦手な調律師もいるので、お手柔らかにお願いします(笑)
私も、小さいころからピアノを習っていましたが、あまり上手になれず、でも、ピアノの仕事がしたいと思って、調律師を目指しました。
一度、お客様のお宅でピアノを弾けなかったことで、苦い思いをしたことがあります。
そのお客様は、1年に1回のピアノの調律後、調律師の人にピアノを1曲弾いてもらうというのを楽しみにされていました。
私が調律に伺った時も、最後に1曲お願いされたのですが、私はある曲のワンフレーズだけしか弾けません。
ワンフレーズを弾いて、「本当にここまでしか弾けません…申し訳ありません」とお詫びをすると、「楽しみにしていたのに」と本当に残念がられたことがあります。
みなさん、、、ピアノが弾けない調律師は結構います。
なので、調律の後に、調律師にピアノを弾いてもらうのを楽しみにするのは、大変恐縮ですが、お控えください。
調律師はピアニストではありませんので…m(__)m
当たり前ですが、調律はきちんとさせていただきますので、ご安心くださいませ!
その他調律師に必要な条件など
ピアノの調律師になるために、必要な条件がいくつかあります。
まずは、オクターブがかるく届くことです。
年齢に関しては、18~25歳と制限している学校もあるようですが、30歳~40歳ぐらいの方も私の専門学校の同級生にいました。
なので、40歳までの方なら、努力次第で希望はあるかと思います。
ただ、感覚を使う作業は多いので、できるだけ若いうちに、勉強するほうがいいかとは思います。
それと健康であることです。
調律は、結構体力仕事です。
あとは、耳が普通に聞こえることですね。
そこまで耳がよくないとダメということは決してありませんが、大音量でのイヤホンの使用はできるだけ控えた方がいいです。
ライブハウスなどの爆音はもってのほか。
私はライブに行くことが趣味なので、ライブに行くときは、必ず耳栓をしていくようにしています。
まとめ
ピアノの調律師になる方法はおわかりいただけましたでしょうか?
まずは、専門学校にいって、技術を学びましょう!
あと、ピアノの調律師に、絶対音感やピアノが弾ける、弾けないなどの、特別なスキルは特に必要ありません。
調律学校は減ってきている現状なので、今後、調律師は減っていくことが考えられます。
ピアノの調律に興味がある方は、ぜひとも、調律師を目指していってほしいなと思います!
以上、ピアノ調律師になる方法は?専門学校に行ったり絶対音感やピアノが弾けないとなれない?と題してお届けしました。