ピアノの調律師はどのぐらいの年収なのでしょうか?
一体どれぐらい儲かっているのでしょうか?
いっぱい稼げそうなイメージがあるとたまに言われますが、実際はどうなのでしょうか?
フリーランスで働く調律師もいれば、楽器店などの嘱託や会社員として働く調律師もいます。
どちらの方が儲けることができるか、どちらの方がおすすめなのか、紹介していきます。
今回は、ピアノの調律師の年収はいくら?儲かるの?と題してお届けします。
ピアノの調律師の年収
ピアノの調律師の年収はいくらぐらいなのでしょうか?
会社員の場合と、嘱託やフリーランスで働いている場合と大きく金額が異なりますので、それぞれ説明していきます。
正社員の場合
会社員の人は、楽器店や調律事務所やピアノ工場などにつとめています。
この場合、年収はかなり低く、200万~300万円程度です。
私が以前勤めていた会社は、調律業界の中ではまだ給料はいい方と言われていましたが、平社員で手取りで年収は260万円ぐらいでした。
月収手取り17万前後で、ボーナスは年2回で25~27万ぐらいでした。
7年間勤めましたが、初任給からほぼほぼ給料は変わりませんでした。
役職につけば、もう少し増えるとは思いますが、+1~3万ぐらいと聞いていました。
私が、ピアノの調律の会社に正社員として勤めていた時の勤務状況をお話しします。
主にピアノの調律外回りをしていました。
ピアノの調律外回りは、お客様のお宅に訪問して、ピアノを調律しにいきます。
車で回りますので、車の免許は必須です。
初めて行くお宅がほとんどなので、ペーパードライバーの方は最初は大変だとと思います。
車の運転が苦手で、辞めてしまった人もいたみたいです。
お客様のお宅に調律に伺って、ピアノの状態が悪ければ、修理の提案して、オーバーホールやクリーニングなどをすすめたりもしていました。
私が勤めていた会社は、どんどん修理をとってこい!というような会社でしたので、ある意味、調律をしながら営業もしていましたね。
ピアノの調律の仕事だけでなく、ピアノの販売や事務処理、調律のアポ取り、次の日のお客様への訪問時間の連絡などもしていました。
年に2回ほどピアノのセールがあり、ピアノの販売もしなければなりませんでした。
ピアノの販売が本当に難しく、苦手で大変でした。
調律は、1日に2件~4件ほどです。(4件の時のうち1件は部品などのお届けのみ)
月々、70台前後のピアノを調律していました。
朝1件と昼2件、時間はつめつめで組むように指導されていました。
1件1時間半ぐらいで終わらせないと、次のお客様の約束の時間に間に合いません。
そのため、丁寧な調律はできません。
昼休みは、30分あればいい方でした。
朝のお客様のお宅で作業に時間がかかったりすると、昼ごはん抜きで、午後のお客様のところへ入ることもありました。
遠方のコースにあたると、帰社するのはもちろん遅くなります。
直帰は基本的になしで、帰社してからは、事務処理に追われていました。
残業代は、出るときと出ないときとあって、乾燥剤の販売数など、ノルマもありました。
どこの会社もこのような感じだと思います。
その他の会社だと、もっと年収がもっと低いところもありますし、残業代が全くでないところも少なくありません。
車で回らず、電車で回っている会社もあるようです。
調律師の工具は、約10キロほどありますので、それを持ち歩きながら、電車で回ります。
電車で4件調律に回っているというお話も聞いたことがありますが、それは体力的に相当きついと思います。
私が勤めていた会社は、人手不足で外回りの手が足りていないぐらい顧客がたくさんありましたが、なかなか顧客が集まらない楽器店や会社もあるようです。
そのようなところは、自分自身で顧客開拓をしていかないといけないという話も聞いたことがあります。
ノルマがあったり、なかなか待遇がよくない会社が多いように思います。
嘱託の調律師
正社員とちがい、月給ではなく、仕事があれば依頼があり、仕事をした分だけ給料をもらうという形です。
年収は、400万円ほどある人もいるようですが、福利厚生などはもちろんありませんし、安定にかける可能性はあります。
実際はもう少し低い調律師もいると思います。
フリーランスの調律師
フリーランスの調律師は、稼いでる人と、そうでない人の幅が広いです。
優秀な技術者で、信頼があれば、顧客もたくさんついていて、年収1000万円以上の人もいます。
調律以外に、オーバーホールなどの大掛かりな修理の依頼があれば、かなりの収入につながります。
しかし、中には200万円以下という人もいますので、上手くいかなければ、生活がかなり苦しくなる可能性はあります。
専門学校を卒業したところで、完璧な調律技術を習得できているわけではないので、専門学校卒業してすぐにフリーランスになるのは、おすすめできません。
しかしながら、調律の会社で技術を上げていくのは、仕事量が多かったり、先輩などに教えてもらう時間もなく難しいように思います。
そのあたりは、会社によって差があると思います。
短時間で調律することが求められますので、調律の精度にはこだわらず、まずは調律台数をこなすことを大事にした方がいいと思います。
独立してフリーランスになるためには、有能な調律師の人と縁があれば、休日にその方の工房などに、調律の練習や修理の勉強させてもらうのが、一つの手です。
確かな技術を学んだあと、独立してフリーランスなるのがいいと思います。
ピアノの調律師は会社員かフリーランスどちらが儲かるのか
結論からいうと、フリーランスの方が、儲けられます。
ただ、フリーランスも、うまく軌道に乗らなければ、顧客がつかず、正社員に届かない年収の人も少なくありません。
会社員は月給ですし、どれだけたくさん調律をしても、給料は一定です。
安定はしていますが、年収は決して高くはありません。
昇給しても、給料が上がる会社は、あまりないと思っていいです。
ピアノの調律師で高収入をのぞむ方におすすめの道のりは、就職して、10年前後は会社員で下積みをしたのち、フリーランスで働くのがいいかと思います。
先ほど説明したように、ずっと会社員だと、昇給があったとしても給料はさほど変わりません。
ただ、ピアノの販売台数は年々減っていて、ピアノの弾いている人も少子化の影響もあって、減少傾向です。
調律師は飽和状態とも言われていますが、調律師の専門学校も閉校している学校がいくつか出ていきます。
今後ピアノの調律師は貴重な存在になる可能性もあります。
なので、あきらめず有能な調律師になって、お客様に信頼してもらえるように、がんばりましょう!
まとめ
ピアノの調律師の年収は、総じていうとそんなによくはありません。
会社員だと、高収入は見込みにくいです。
昇給は多少ありますが、本当に多少です。
それに、ノルマがついてきたり、残業は避けられないと思うので、精神的にも体力的にもしんどくなると思います。
私自身も、ノルマや長すぎる勤務時間の影響か体調を崩して、退職しました…。
逆にフリーランスだと、儲かる可能性はありますし、自分のやりたいように仕事ができます。
優れた技術があって、顧客の信頼を得ることができれば、どんどん収入は増えるかと思います。
うまくいかなければ、収入は会社員以上に減り、苦労している人も多くいるみたいです。
ピアノを弾いていても、調律をしていない、しなくても大丈夫と思っている人は、それなりにいると思います。
そういう方達に、調律の必要性を伝えていきたいものです。
以上、ピアノの調律師の年収はいくら?儲かるの?と題してお届けしました。