アップライトピアノの購入を検討されている方は、ヤマハとカワイの違いはなんなのか知りたいと思いますよね。
ヤマハとカワイのアップライトピアノの中古の違いは何なのか、比較して紹介していきます。
ヤマハで人気のUXやU3のアップライトピアノや木目のピアノについても詳しく説明して、おすすめのピアノはどれなのかを、追及していきます!
今回は、アップライトピアノのヤマハとカワイの中古を比較!UXやU3や木目のピアノがおすすめ?と題してお届けします。
アップライトピアノのヤマハとカワイの中古を比較!

ピアノのメーカーといえば、ヤマハとカワイが思い浮かぶ方が多いかと思います。
その違いってなんなんだろうと疑問に思われている方も多いのではないでしょうか?
ヤマハとカワイのピアノの違い
ヤマハとカワイを比較して紹介していきたいと思います。
ヤマハの特徴
ヤマハは、華やかでキラキラとした明るめの音色というのが特徴です。
人によっては、キラキラしすぎ、キンキンしていると感じることもあります。
ヤマハは、テレビや学校など、様々な場面でも使用されていることが多いので、一番耳なじみがある音で、「ピアノといえばヤマハの音」と認識している方も多いのかなぁと思います。
品質が安定していて、一番おすすめしやすいピアノです。
近年は、品質が落ちてきています。
少子化によってピアノが売れにくくなったということ、いい木材が手に入りにくいことも原因のひとつにあります。
カワイの特徴
カワイの特徴は、落ち着いた優しいまろやかな音色が特徴です。
そして、タッチが重めのものが多い傾向にあります。
人によっては、こもっている、音が暗いと感じることがあります。
カワイも品質は落ちてきていて、結構早い時代からアクション部品のほとんどが樹脂、いわゆるプラスチックが使われています。
この影響で、少しでも湿度が高いところにピアノを設置していると、スティックといって部品の動きが鈍くなります。
どっちを選ぶのがいいのか
どちらを選ぶのがいいかは、結果的には「お好み」ということになってきます。
上記に示したことは、一般的に言われていることであって、ヤマハのピアノでも、カワイを思わせるようなピアノもあります。
カワイのピアノでも、ピアノによってはヤマハに近い音のものもあるのです。
というのも、ピアノは同じ機種であっても、ピアノそれぞれ音色やタッチが異なります。
同じ設計で作られていますが、響板など木材の部品を全く同じ木目のものを用意することはできませんし、ハンマーもどのピアノも同じ固さに調整することはできません。
なので、ピアノそれぞれに個体差があり、ヤマハとカワイどちらがいいのかというのは、一概に決めることは難しいです。
特に中古ピアノは、個体差が大きいです。
中古ピアノの場合、買取る前の持ち主がどれだけ弾いていたかや、設置環境などによって、音色や状態も変わってきます。
実際に販売店に行ってみて、しっかりと指弾してみるのが一番いいです。
立ったままポロンポロンと音をならすだけでなく、きちんと座って、単音、和音を弾いてみてください。
弾ける方なら恥ずかしがらず、弾ける曲のワンフレーズを弾いてください。
きっと、弾いているうちにピアノの個体差がわかってくると思います。
いろいろなピアノを弾いているうちに、ご自身の好みの音やタッチがわかってくるかと思います。
UXやU3や木目のピアノがおすすめ?

中古ピアノについて、よく調べていらっしゃる方だと、気になる機種もあるのではないでしょうか?
今回は、ヤマハで人気のある「UX」や「U3」などの機種の説明をしたいと思います。
木目のピアノについても、どんな特徴があるのか紹介します!
ヤマハ中古ピアノの人気機種
ヤマハの中古ピアノの人気機種は、「Uシリーズ」や「UXシリーズ」が人気です。
それぞれの特徴を見ていきましょう
Uシリーズ
ヤマハのアップライトピアノのスタンダードモデルです。
1954年から1997年まで長年製造されていて、今でも愛されているモデルです。
現行機種では、Uシリーズは製造していなくて、現在はYUシリーズとして販売されています。
型
1型、2型、3型と3種類のモデルがあります。
1型が高さ121cm、2型が高さ125cm、3型が高さ131cmとなっています。
サイズについて知りたいという方は、以下の記事を参照してください。
語尾のアルファベットの意味
Uシリーズの機種名は、U1H U2H U3H という感じで、UはUシリーズ、数字はサイズの型、アルファベットは年代を表しています。
ちなみに、年代順に機種を並べると…
U1A → U1B → U1C → U1D → U1E → U1F → U1G → U1H → U1M → U1A → U10Bl → U10A → U100 → YU1 → YU11
こういう順番に変わっていきました。
ご覧いただくとわかるように、Aは2回登場しています。
初期のAと後継のAがあるのです。
そして、初期のAは1型と2型しか製造されておらず、Uシリーズの3型は、U3Bから製造されています。
最後の方は、Blになっているのですが、このBlは恐らくBlack(黒)のBlです。
この年代から、Uシリーズの木目バージョンが販売されるようになり、U10Wnというように、語尾に色のアルファベットを入れて区別できるようになっています。
ちなみに、WnはWalnut(ウォールナット)を意味しています。
U10Blの次は、U10Aとなっていて、Blは引き継がれていないのですが…。
2型は現在は製造されておらず、初期のU2A~後継U2Aまでで終了しています。
詳しい年代は、こちらでご確認ください。
U1、U2、U3の他に、U5とU7という上位機種があります。
高さは、どちらも131cmの背の高いモデルで、木目調になっています。
年代でいうと、U1DからU1Hあたりの年代(1961~1994)に製造されていました。
U5 →→ U5A U5B U5C U5D U5H
U7 →→ U7A U7B U7C U7H
が存在します。
特にU7は、丁寧につくられています。
総アグラフといって、弦を止める部品がグランドピアノの仕様になっていて、これぞヤマハの最高機種といえます。
現行機種のSU7が、後継モデルになっています。
国内で販売されている機種
国内で販売されている中古ピアノは、年代が古すぎないものを中心に販売していることが多いです。
古すぎると、修理コストがかかって、日本で販売すると高くなってしまうので、年代の古いピアノは、粗く修理をして、海外で販売されることが多いです。
現在中古ピアノとして日本で販売されているのは、U1Hあたりからですが、この年代も古くなってきてるということと、海外で人気機種とあって、輸出が多くなっているようです。
UXシリーズ
ヤマハのアップライトピアノの高級モデルにあたるシリーズです。
1975年から1997年まで製造されていて、現在では同じ形式のモデルはありません。
背面の支柱が交叉上にデザインされているのが特徴です。
製造過程のコストがかなりかかるため、製造されなくなりました。
X支柱
このX支柱は、ドイツのピアノメーカーのグロトリアンというメーカーが設計していたのが原点です。
このグロトリアンのX支柱がアップライトピアノの最高峰とも言われていて、それをヤマハでも取り入れたのでした。
通常の支柱は4~5本の柱が縦に張られていますが、X支柱の場合、交叉上に設計されています。


なぜこのように、交叉上の支柱にしているのか?ということを疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。
まず支柱の役割は、ピアノの*弦張力と*響板のクラウンを支えることです。
この弦張力とクラウンを支える強度をより高めるために、X支柱が使われています。
X支柱の原点であるグロトリアンのピアノは、弦張力が強く設計してあるため、それを支えるためにX支柱にしたそうです。
対して、ヤマハのUXは張力は高くありませんが、弦張力と響板クラウンを補強するために、X支柱を採用したのかと思われます。
*弦張力…弦を引っ張る強さのこと。
*響板クラウン…響板はピアノのスピーカーの役割を担う木材。響板は、振動しやすいように反っていて、これをクラウンという。
UXの年代別
UXシリーズも年代によって、機種名が変わっていきます。
3型
UX → YUX → UX3 → UX30Bl → UX30A → UX300
1型
— → YUS → UX1 → UX10Bl → UX10A → UX100
初代UXは、3型のみの製造でしたが、後継のYUXの代からは、1型のモデルも製造されていました。
YUSのみ、機種名にXがつきませんが、背面はX支柱になっています。
ワンランク上のUX
背面のX支柱だけでなく、グランドピアノに近い仕様になっている機種がいくつあるので、紹介します。
アグラフ
対象機種:UX5・UX50BL・UX30A・UX50A・WX3A・UX300・UX500
先ほど紹介したU7に搭載されていたアグラフが、中低音に使用されています。
U7は総アグラフでしたが、こちらのものは中低音のみで、高音部分は、通常のアップライトピアノと同様のプレッシャーバーになっています。
ソステヌートペダル
対象機種:UX5・UX50BL・UX50A・WX5・UX500
ソステヌートペダルは、グランドピアノに使用されている中央のペダルです。
通常アップライトピアノの中央のペダルは弱音ペダルです。
これらの機種にはグランドピアノと同様のソステヌートペダルが搭載されています。
ソステヌートペダルの役割は、鍵盤を押さえつつソステヌートペダルを踏むと、鍵盤を押した音が鍵盤を押さえていない状態でも伸び続けることです。
かなりの上級レベルの曲でないと、楽譜には出てきませんので、このペダルを使う機会はほとんどないでしょう。
木目のピアノについて
木目のピアノは販売店などに行くと、黒いピアノよりも一際目立って、素敵に見えますよね。
インテイリアにこだわりがある方は、やはり木目調のピアノを探している方も多いように思います。
黒いピアノとなにが違うのかを紹介していきます!
木目のピアノの特徴
一昔前は、ピアノは客間に置いているというご家庭が多かったのですが、現在は、住環境が変わってきていて、リビングにピアノを置くご家庭が多いです。
リビングに設置するとなると、毎日目につくものですから、やはり黒いピアノよりも、部屋になじむ木目のピアノがいいと思われる方も多いです。
木目のピアノは、黒いピアノよりも値段が高くつけられています。
きれいな木目の天然化粧板が外装面に貼られていて、その上に塗装を施します。
材料費と塗装の技術が必要なため、黒のピアノよりもコストがかかり、価格が高くなります。
ちなみに、内部の構造は黒いピアノと同じです。
外装の仕上げが艶消しのタイプであれば、指紋や汚れが目立ちにくく、お手入れがしやすいですが、日焼けしやすいので、日当たりのいい場所に置く場合は、注意が必要です。
おすすめのピアノはどれ?
おすすめのピアノはどれ?ということなのですが、やはりみなさまそれぞれの「お好み」や「予算」が決め手となるでしょう。
ヤマハ
UシリーズかXシリーズかどちらを選ぶかと言われたら、私が買うとすれば、Uシリーズを買うかなと思います。
U3HやU3M、U3Aあたりで、いい状態のものがあれば…という感じです。
1型よりも3型の方が、背が高く音の伸びがいいので、3型をおすすめします。
UXシリーズも手の込んだいいピアノだと思っています。
ですが、Uシリーズの方がコスパがいいかなと思ってUシリーズを選びました。
U3Hだったら30万円しないお値段で買えるかと思います。
年数は1970年代のピアノなので、古いのですが、U3Hは本当に品質が安定していて、調律師の中でも、一番調整しやすいと評判のピアノです。
ただ、先ほども紹介したように、U3HやU1Hは年数が古くなってきているということと、海外でも人気のある機種なので、輸出にまわっていて、現在はかなり品薄になっています。
UXも海外で人気なので、そうだと思います。
見つけるのが難しくなってきているので、もし見つけることができて、状態が良好であれば、すぐさま購入されることをおすすめします。
ちなみに、UXシリーズの中でのおすすめは、UX3かUX5がいいかなと思います。
結論、予算を少しでも抑えたいのであれば、年数古めのUシリーズ、予算に余裕があって、少しランクの高いピアノがいいという方は、UXシリーズを選んでみてはいかがでしょうか?
カワイ
予算をおさえたい言う方は、カワイもいいと思います。
カワイは、ヤマハと比べると安い価格がついています。
機種がかなり多いので、このピアノがおすすめ!というのは紹介できないのですが、スタンダードのモデルもいいと思います。
グランドアップといって、譜面台が大きいサイズのものがあって、そちらも悪くないと思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ヤマハとカワイの違いを比較しました。
ヤマハはキラキラ系、カワイは優しい系の音が特徴的です。
どちらがいいかは、みなさんそれぞれのお好みです!
個人的には、ヤマハの方が安定しているので、おすすめはヤマハかなと思っています。
UXやU3、木目のピアノについても、詳しく紹介しました。
私が買うならUシリーズということでした。
ほとんど私個人的な意見ということになってしまったのですが、一番大事なことは、ご自身で実際に弾いてみて、気に入ったピアノを見つけるということです。
以上、アップライトピアノのヤマハとカワイの中古を比較!UXやU3や木目のピアノがおすすめ?と題してお届けしました。