ピアノの購入を検討しているという方は、ピアノの経験もなく、どんなピアノを選んだらいいかわからないという場合も少なくないと思います。
ピアノは高額なため、購入となると慎重になりますが、ポイントをつかめば、ご自身の求めているピアノがわかってくると思います。
初心者向けのピアノは、どんなものなのかや、ピアノを選ぶ決め手や注意点についても紹介します!
今回は、ピアノを購入する時のおすすめの選び方は?初心者向けのピアノを選ぶ決め手や注意点を紹介!と題してお届けします。
ピアノを購入する時のおすすめの選び方は?
まずは、知っておきたい情報をまとめておきましょう。
ピアノの種類
ピアノには、種類がいくつかあります。
ピアノの練習用に使用されるピアノは、以下の3つです。
- アップライトピアノ
- グランドピアノ
- 電子ピアノ
アップライトピアノとグランドピアノは、アコースティックピアノとまとめられることもあります。
いわゆる生ピアノですね。
それぞれの特徴を見ていきます。
アップライトピアノ
アップライトピアノは、一般家庭でよく使用されている、縦型のアコースティックピアノです。
グランドピアノはサイズが大きいので、約一部屋分のスペースが必要ですが、アップライトピアノの場合、畳一枚ぐらいのスペースがあれば、設置できます。
グランドピアノ
グランドピアノは、コンサートホールやピアノの先生のピアノ、学校の体育館や音楽室などで使用されているアコースティックピアノです。
先程、お伝えしたように、グランドピアノは、サイズが大きいので、一般家庭で使用されていることは、少ないです。
しかし、グランドピアノこそが、本来のピアノの仕組みなので、練習にはグランドピアノが一番理想ではあります。
電子ピアノ
日本でピアノが普及したころ、集合住宅も増えていき、同時に騒音の問題が出てきました。
その時に、アコースティックピアノの代替品として開発されたのが電子ピアノでした。
ボリュームを小さく演奏でき、ヘッドホンを使用しての演奏も可能です。
比較的安価で、便利な反面、タッチに違和感があったり、故障しやすいなど、デメリットも多くあります。
どの種類のピアノを選んだらいいのか?
種類がわかったところで、どのピアノを選んだらいいのかについて紹介します。
結論から言いますと、アコースティックピアノ(グランドピアノ・アップライトピアノ)が一番おすすめです。
詳細は、後程説明しますが、きっと最初からアコースティクピアノを買っておけばよかったと後悔することになります。
ピアノは、弾く人の年齢、弾く環境や目的などによって、最適なものが変わってきます。
- こどものレッスンの練習用
- 大人のレッスンの練習用
- 大人・こどもがレッスンに行かずに趣味で弾く場合
- 音楽大学を目指している方や音楽大学生
今回は、上記の目的の場合でのおすすめのピアノを紹介します。
こどものレッスンの練習用
こども(幼児~中学生程度)のレッスンの練習用に使用される場合は、アップライトピアノがおすすめです。
強いて言えば、グランドピアノの方が理想的ですが、住宅事情や価格を考えると、現実的ではありません。
おそらく、こどものレッスンの練習用のピアノの場合「電子ピアノでいい」と考えている方が多いと思います。
しかし、アコースティックピアノを設置できる環境があって、予算がある場合は、断然アコースティックピアノを購入した方がいいです。
電子ピアノをとりあえずと思って購入しても、いずれ、アコースティックピアノに買い替えることになることがほとんどです。
大人のレッスンの練習用
大人のレッスンの練習用の場合は、アップライトピアノがおすすめですが、電子ピアノでも対応できると思います。
電子ピアノでも、やはり物足りなく感じてくることがあります。
結局アコースティックピアノに買い替えたという例も耳にしますので、本当に電子ピアノでいいか、慎重に検討してください。
大人・こどもが趣味で弾く場合
レッスンにもいかず、娯楽で弾く場合は、電子ピアノで問題ないでしょう。
電子ピアノだと、ピアノの音だけなく、ピアノ以外の他の楽器の音で演奏できたりするので、楽しめると思います。
音楽大学を目指している方や音大生
音楽大学を目指している方や音大生は、グランドピアノがあった方がいいでしょう。
アップライトピアノは、グランドピアノとは仕組みが違って、1秒間に連打できる回数も違います。
早いトリルなどを弾く場合は、アップライトピアノでは対応できなくあることがあるので、グランドピアノがおすすめです。
どうしてもアップライトピアノでないといけないという場合は、上級機種のアップライトピアノを購入しましょう。
設置環境
ピアノを設置する環境によっても、おすすめのピアノは変わってきますね。
- 音をそこまで気にしなくてもいい
- 夜間など時間によって静かに演奏したい
- 集合住宅などで大きい音が出せない
- ピアノを搬入ができない
ピアノは、音が大きい楽器ですので、大きい音を出していいか否かや、搬入できるかできないかなどで、変わってきます。
音をそこまで気にしなくてもいい
ピアノのレッスンに通っていて、大きい音を出しても問題がない場合は、グランドピアノかアップライトピアノで練習した方がいいです。
レッスンに通っていない場合は、電子ピアノでも大丈夫かと思います。
夜間など時間によって静かに演奏したい
マンションにお住まいの場合は、規約でピアノを弾いていい時間が決まっていることが多いですよね。
夜間など、時間によって静かに演奏したいという場合、電子ピアノとアコースティックピアノの2台持ちが理想です。
消音機付きのアコースティックピアノもありますが、正直おすすめしません。
どうしても、2台置くスペースがないなど、事情がある場合は、消音付きのピアノを購入したり、取り付けてもいいと思います。
しかし、消音機付きのピアノは、ピアノの音は消音されるものの、鍵盤を打つ音、すなわち打鍵音大きく、クレームに繋がった例があるなど、デメリットが多数あります。
消音機は、電子ピアノを買えるぐらいの料金がかかります。
消音機を購入したり、取り付けるのであれば、デメリットを理解した上で検討していただきたいです。
詳細は、以下をチェックしてみてください。
集合住宅などで大きい音が出せない
集合住宅の場合、アコースティックピアノのような大きい音が出る楽器を、気軽に演奏はできないと思います。
マンションの規約で、ピアノが禁止されている場合もありますが、その場合は、電子ピアノしかやむを得ないですね。
タッチを気にして、消音機付きのアコースティックピアノを買おうと思っている人もいるかもしれませんが、おすすめしません。
消音機付きのアコースティックピアノは、アコースティックピアノの音がヘッドホンから流れると思っている人が多いと思います。
実際は、電子音(誰が弾いたかわからない録音されたピアノの音)が流れます。
さらに、消音機付きの専用の機械を取り付けるために、部品の位置も微妙に変えるので、タッチも本来のタッチではありませんので、ご注意ください。
なので、大きい音がどうしても出せないという場合は、消音機付きのアコースティックピアノではなく、電子ピアノを購入した方がいいです。
ピアノの搬入ができない
お部屋の間取りによっては、ピアノが搬入できないケースがあります。
玄関入ってすぐ曲がり角だと、ピアノを搬入しようと思っても、曲がり角を曲がり切れないという場合があります。
他にも、2階にピアノを置く場合、クレーンで吊り上げて窓から搬入するのが一般的です。
しかし、ピアノが通るような大きい窓が道路側になかったり、トラックが家の前まで侵入できない場合も、ピアノの搬入は難しいです。
アップライトピアノの場合は、ピアノをばらして搬入する方法もありますが、かなり費用がかかることが多いです。
その場合は、電子ピアノで対応するのが無難だと思います。
電子ピアノは、解体した状態から、自分で組み立てることができるので、どんなお部屋の間取りでも、搬入できることが多いです。
アコースティックピアノのすすめる理由
私は、調律師ですので、調律が不要の電子ピアノは、買われたら困るから、すすめるはずないだろ!思う方が多いと思うので、きちんと理由を説明します。
やはりアコースティックピアノは、金額が大きいですし、ピアノは生活に必ず必要なものでもないので、できるだけ、出費をおさえたいと思う方が多いと思います。
せっかく購入しても、続くかわからないから、とりあえず電子ピアノがいいと思われる方も多いでしょう。
お気持ちはとてもよくわかるのですが、注意が必要です。
電子ピアノとアコースティックピアノは、根本的に違うところが多いので、電子ピアノとアコースティックピアノの差がありすぎるのです。
構造、音の出し方が全然違いますし、電子ピアノで練習することによって独特の弾き方の癖がついてしまったり、タッチ感も違うので、音量の調節が習得しにくかったりします。
タッチは、最近の電子ピアノは、かなり本物のピアノに近づいてはきていますが、それでも構造が異なるので、全く別の楽器を弾いているという感覚があることは、正直否めません。
電子ピアノとアコースティックピアノの違いについては、以下を確認していただけたら嬉しいです。
初心者向けのピアノを選ぶ決め手や注意点を紹介!
ピアノを使用する目的や、住宅事情などを考慮した上で、どのピアノが適切かについて、お分かりいただけたと思います。
しかし、どんなピアノを選んだらいいかなどは、ピアノのご経験がない方は特にだと思いますが、なにを決め手に選べばいいかもわからないですよね。
お子様向けのピアノを中心に「決め手」と「注意点」を紹介したいと思います。
ピアノを選ぶ決め手
ピアノは、高価なものですよね。
なので、お子様向けに購入する場合は、やはり、続くかわからないから、とりあえず、安いピアノでいいと思っている方も多いかもしれません。
しかし、そこが落とし穴なのです。
ピアノのことがわからないという方は、ピアノの音の違いなども、もちろん何もわからないということが多いです。
なので、あまり知られていないメーカーのピアノでも、安いし、デザインもおしゃれだし、ピアノの音がなるし、これでいいやと思ってしまいがちです。
しかし、実際家に届いたピアノで練習してみると、なんか違和感があったり、弾きにくいと子どもながらに感じるという例は、よく聞くお話です。
なので、安いからなどと、単純な理由で選んでしまうと、結局買い替えたり、弾きにくいピアノで練習していると、練習が嫌になり、ピアノをやめてしまうということになりかねません。
ピアノは、知らないからと適当に選ぶと、いいことありません。
ある程度勉強して、慎重に選びましょう!
アコースティックピアノの場合
まずは、アコースティックピアノの場合の決め手をみていきます。
予算とメーカーが、はじめに決まっていると、スムーズかと思います。
予算
予算は、ご家庭の経済状況によって、変わってくるかと思いますが、事前に決めておいた方がいいと思います。
たまに安いピアノと高額なピアノとで、迷っているお客様がいらっしゃいますが、金額に差があると、決断しにくいです。
ある程度でいいので、予算の目安を決めておいた方が、選びやすいと思います。
ちなみに、アップライトピアノの相場は、中古で20万~80万円程度、新品で50万~150万円程度です。
中古だと、年式が古いものが安く、年式が新しくなると高くなります。
なので、グレードが高いものでも、年式が古ければ、安く手に入れることができます。
個人的に、アコースティックピアノは、中古をおすすめしています。
ピアノは、新しければいいわけではありません。
年数がたっていた方が、使用している素材がよかったりするからです。
予算あまりないという方でも、中古なら購入できるのではないでしょうか?
しかし、安すぎるピアノは注意が必要です。
安いピアノの場合は、25万円以上のヤマハの古い中古を選ぶと失敗が少ないと思います。
メーカー
ピアノのお店に行けばわかりますが、日本で圧倒的に多いメーカーは、やはりヤマハです。
ついで、カワイ、ディアパソン、アポロ、スタインリッヒ…といったところでしょうか?
メーカーで選ぶというのも、一つの手ですが、注意点があります。
一番無難なのは、やはりヤマハですが、ヤマハでも、当たり外れがあるというのは、否めません。
結論、このメーカーを選んでおけば、失敗はないというメーカーはないので、実際に現物を弾いてみて、確認することが重要です。
しっかり指弾する
予算、メーカーなど関係なく、必ず実際に現物を指弾してみましょう。
最終的の決め手は、弾いて決めるということが一番大事です。
指弾は、立ったままポロポロと弾くのではなく、椅子に座ってしっかり音をならして弾いてみてください。
何台か弾いていくうちに、音色やタッチの違いがなんとなくわかってくると思います。
なので、ピアノが全然弾けないから…と引いてしまわず、とりあえず弾いてみてください!
「このピアノがなんとなく好きかも…」と思えるピアノが出てくるはずです。
電子ピアノの場合
電子ピアノも基本的には、アコースティクピアノと同じですが、個人的におすすめする価格帯やメーカーもあるので、チェックしてみてください。
価格
電子ピアノの価格は、ピンキリです。
ピアノのレッスン用で使用する場合は、最低10万円以上のものがいいです。
ハイブリッドピアノという、アコースティクピアノと同等のタッチで演奏できるものだと、30万円以上のものもありますが、ハイブリッドピアノはおすすめしません。
なぜなら、値段が高すぎるからです。
値段は高いのに、5~10年ほどで故障する可能性もありますし、30万円あれば、それなりの中古ピアノが購入できるので、もったいないです。
電子ピアノは、高すぎず、安すぎずのものを選ぶのが吉だと思います。
おすすめは、15~20万円程度のモデルがいいです。
メーカー
電子ピアノのメーカーは、いくつかあります。
有名どころを上げると、ヤマハ、カワイ、ローランド、カシオ…といったところでしょうか。
レッスンの練習用での売れ筋は、ローランド、ヤマハが人気だと思います。
しかし、個人的におすすめは、カワイです。
一番タッチがアコースティクピアノと近いと思っています。
以下のCAシリーズの木製鍵盤のモデルが好きです。
CAシリーズで、これよりも上位モデルがありますが、音色やデモ曲が増えたりするぐらいで、そこまで大きな変化はありません。
指弾する
電子ピアノもアコースティックピアノと同じように、実際に弾いてみましょう。
電子ピアノの場合、一台一台個体差はそこまでないので、展示品ではなく、新品を納品してもらうといいでしょう。
ピアノの選ぶ注意点
ピアノを選ぶうえで、気を付けてほしい注意点があります。
いくつか、紹介していきます。
だれにアドバイスをもらうか
ピアノのこと全然わからないから、だれかにアドバイスしてもらおうと思うことも多いと思います。
一番相談しようと思いつくのは、ピアノの先生ではないでしょうか?
会社員のころに販売員もしていましたが、ほぼみなさん「ピアノの先生に聞いてみる、確認したい」とおっしゃっていました。
しかし、ピアノの先生に相談こともありですが、注意した方がいいです。
ピアノの先生は、特定の楽器店、複数の楽器店とお付き合いがあったりすることがあります。
先生は、自分の好みをお持ちですから、先生自身の好みのメーカーなどを強く勧めがちです。
先生の紹介を一度受けてしまうと、他のお店を見て検討したいと思っても、なかなか言い出せないことが多いです。
さらに、他のお店でお気に入りのピアノを見つけたけたとしても、それを購入したいと思っても、躊躇してしまうのが普通ですよね。
そして、その先生のお付き合いのある楽器店で購入すると、楽器店から先生にバックマージンが入ることが多いです。
楽器店側からすると、先生に売り上げの何割かを渡さなければいけないので、値下げは極力避けたいと思っているのです。
値下げできる幅が、狭まるということですね。
そもそも、先生は、ピアノを演奏する専門で、調律できる方はほとんどいませんし、ピアノ内部のことは無知の方が多いです。
ピアノのことを詳しく知っているのは、調律師です。
アドバイスをもらうのであれば、調律師が正解です。
調律師も紹介すると、マージンが発生することがあるので、注意しないといけません。
指弾する時は椅子に座ってしっかり弾く
先ほどもお伝えしましたが、ピアノを選ぶときは、指弾することが必須ですが、立ったままポロンポロンと弾くだけではなく、椅子に座って弾きましょう!
ピアノが全く弾けないという人も、一音一音確認するように、全鍵盤の音をならしてみてください。
何台かピアノを弾いていくうちに、ピアノそれぞれの音色の違いや、タッチの違いなどが、わからないなりに、なんとなくわかってくると思います。
そして、お子様の練習用のピアノの場合は、もちろんお子様に弾いてもらって、お子様の好みのものを選ぶのが一番です。
自分で選んだピアノだと、練習の意欲が増すものです。
中古ピアノでも展示品が納品されるわけではない?
中古ピアノでも、販売店によっては、複数の在庫があって、在庫から納品されることがあります。
なので、せっかく販売店でピアノの状態などをしっかり確認しても、同じ機種だけど、違うピアノが納品されてしまうことがあります。
同じ機種だったら、同じでしょ?と思われるかもしれませんが、違います。
ピアノは個体差がかなりあるので、同じ機種でも、タッチや音色が変わります。
展示されているピアノを納品してもらう方法がありますので、紹介します。
展示されているピアノを納品してもらおう
展示されているピアノを納品してもらうには、まず、ピアノ一台一台にうってある「製造番号」を控えましょう。
製造番号は、アップライトピアノの場合は、上の屋根を開けると、高音側あたりに、番号が見えるかと思います。
この製造番号を控えておきましょう。
スマホで写真をとっておくと、間違いありませんね。
お店の人に、「展示品を納品してほしい。製造番号を控えておくので、納品後確認する。」と伝えておけば、確実に展示品を納品してもらえるかと思います。
まとめ
ピアノの購入する時のおすすめの選び方は、まずは、ピアノの種類を決めることですね。
レッスンの練習用の場合は、アコースティックピアノを選ぶのが無難です。
アコースティックピアノも電子ピアノどちらも、ピアノ初心者でも、実際に指弾して決めるということが大切です。
弾いてみないと、決め手は出てきません。
先生の紹介は、注意点があり、先生と楽器店がつながっていると、マージンが発生したりするので、気をつけましょう。
そして、アコースティックピアノの場合、製造番号を記録して、展示品を納品してもらいましょう。
以上、ピアノを購入する時のおすすめの選び方は?初心者向けのピアノを選ぶ決め手や注意点を紹介!と題してお届けしました。