「ピアノを思いっきり弾きたいけれど、音が近所にどれだけ漏れているのかわからないし、気になって練習に集中できない」
「こどもが中学生になると夜にしか練習できなくなるし、どうしよう」
そんな方はやはり防音室があればいいなぁと思いますよね。
気になるのは、防音室の費用…ですね。
防音室は、中古、新品、部屋ごとリフォーム、新築やマンションで防音工事…という風に様々なケースがあります。
それぞれでかかる費用や、ヤマハとカワイの違いを紹介してきます!
今回は、ピアノの防音室の費用は中古と新築とリフォームとマンションの場合どれぐらい?ヤマハとカワイの違いを紹介!題してお届けします。
ピアノの防音室の費用は中古や新築やリフォームやマンション場合どれぐらい?
明日ピアノ戻したら防音室完成なんです!!
楽しみだぁぁぁ pic.twitter.com/JsfvBCbtI8— 綾花 (@ayaka_taketake) May 28, 2020
ピアノの防音室の費用は、結論からいってしまうと、2畳のユニットタイプの防音室で、100万円~です。
高額!!!
100万円というと、中古のアップライトピアノよりも高い金額ですね。
防音室の説明をしつつ、費用も紹介していきます!
防音室について
防音室には、組み立て式のユニットタイプと、自由設計タイプ、防音工事の3種類あります。
遮音性能や防音室の広さによって、値段が変わってきます。
ユニットタイプ
部屋の中に防音室をたてるタイプです。
低コストで、組み立てが比較的簡単なので、引越しが可能です。
ユニットタイプはマンションで使われていることが多いですね。
不要になった際は売却でき、中古を購入することもできます。
有名なのは、ヤマハのアビテックスナサールNSとカワイのナサールです。
新品ユニットタイプの平均相場
- 2畳 … Dr-35 100万円~ ・ Dr-40 150万~
- 2.5畳 … Dr-35 120万円~ ・ Dr-40 170万円~
- 3畳 … Dr-35 130万円~ ・ Dr-40 170万円~
- 3.5畳 … Dr-35 150万円~ ・ Dr-40 200万円~
- 4畳 … Dr-35 170万円~ ・ Dr-40 230万円~
相場はこんな感じです。
防音室の大きさや遮音性能によって値段が変わります。
自由設計(フリー)タイプ・防音工事
部屋をまるごと防音室にしたい場合は、自由設計(フリー)タイプか防音工事になります。
部屋の間取りを最大限に活かした設計ができます。
「新築の一室を防音室にしたい」などという場合は、このタイプがいいと思います。
自由設計(フリー)タイプ
自由設計の場合は、遮音パネルを部屋の大きさに合わせて組み立てていきます。
部屋の壁の大きさに合わせて防音壁をオーダーメイドできるので、ユニットタイプと比べると部屋のスペースを無駄なく活用することができます。
ヤマハのアビテックスにもありますし、カワイのナサールも対応しています。
自由設計(フリータイプ)の値段
値段は、ヤマハのアビテックス自由設計6畳Dr-35の平均的な仕様で、350万円~となっています。
部屋の形状などで価格が大きく変わるようです。
カワイは、ナサールオーダータイプ、Dr-35の6畳で200万円~(参考プラン価格)となっています。
防音工事
部屋全体をリフォームして、防音する方法です。
収納部分やフローリング、壁紙も好きなデザインにできて、防音室でありながら生活空間と一体化した部屋が仕上がります。
防音工事の値段
防音工事の場合、木造住宅なのか鉄筋なのかなどの条件によって、金額に大きな差が出るので、見積もりをしてもらうのがいいです。
ピアノの防音となると、だいたい200万円~というところが多いようです。
重量の確認
意外と盲点なのが、防音室の重量です。
部屋ひとつ分の重量が建物に加わるので、あらかじめ重量に耐えられるかどうか確認する必要があります。
防音室だけなら耐えられる場合が多いですが、ピアノと椅子と演奏者の荷重も考慮する必要があります。
防音室の重量は、2畳でおよそ500kg~、3畳でおよそ600kgです。
アップライトピアノの重さはおよそ200kg、グランドピアノは、300kg~です。
アップライトピアノとグランドピアノの重さは、以下の記事で詳しく紹介しています。
ユニットタイプの場合の床補強の必要性
- 木造戸建て1階 … 補強した方がいい
- 木造戸建て2階以上 … 防音室は入れられるがピアノは置けない
- 軽量鉄骨1階 … 補強した方がいい
- 軽量鉄骨2階以上 … 防音室は入れられるがピアノは置けない
- 重量鉄骨・鉄筋コンクリート1階2階以上 … 補強なしでOK
賃貸物件の場合は、鉄骨や鉄筋でも大家さんに確認が必要です。
一部「補強した方がいい」と表現しましたが、防音室とピアノだけなら重量的には置いても問題ありません。(ピアノ・防音室のの大きさによる)
しかし、通常ピアノの部屋には、防音室とピアノの他に本棚や机などの家具を置いているということが多いことから、床補強をしておく方が安心ということです。
木造2階以上の防音室の設置は、基本的に難しいですが、ハウスメーカーによっては床補強工事をすれば可能なこともあるようです。
自由設計(フリー)タイプ
自由設計タイプは、木造戸建て2階だと設置できないことがあるそうです。
鉄筋であれば問題ないことが多いです。
賃貸は、自由設計タイプだと傷が入ってしまうため不可能です。
防音室のサイズ
アップライトピアノは、2畳以上で設置可能。
グランドピアノは、小さいサイズのモデル(C3クラスまで)の場合、3畳以上で設置できます。
C5クラスは、3.5畳~可能です。
ちなみに、畳の部屋でもユニットタイプの防音室は設置可能です。
ユニットタイプで設置に必要な大きさ
- 2畳~3畳の防音室 … 6畳
- 3.7畳~4.3畳の防音室 … 8畳
防音室の大きさの倍ほどの大きさの部屋でないと設置できないということですね!
防音工事すると元の部屋から、1畳以上は部屋が狭くなります。
遮音性能
遮音性能は、JISで規定されている指標「Dr等級」で示されます。
例えば、Dr-40の防音室だったら、40db(デシベル)音量を落とすことができることを表しています。
ピアノの場合、Dr-35以上の性能の防音室がおすすめです。
住宅よっては音が漏れやすいこともあるかと思います。
その場合は、Dr-40はあったほうがいいかなと思います。
遮音性能については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
エアコンについて
防音室には、エアコンは必須です。
密封状態になるので、夏は地獄のように暑くなります。
湿度80%以上になることもあるようなので、ピアノを置く場合エアコンはつけておいてください!
中古ユニットタイプ防音室の費用
中古ユニットタイプの防音室の費用は、ピンキリ!
古いモデルだと安いですし、それなりに新しいモデルだと高くなります。
例えば、10年前のヤマハのセフィーネDr-35の2畳だと90万円程度で購入できたりします。
2年前のアビテックスDr-40の2.5畳だと約140万円ぐらいとなっています。
そこまで安くないような感じもしますね。
防音室は年数がたつと、隙間が大きくなったりと性能が悪くなることが多いので、そのあたりも頭に入れつつ検討してほしいと思います。
在庫状況もその時々によって豊富なときもあれば、少ないときもあるかと思います。
新品よりはそれなりに安く購入できるので、少しでも安くおさえたいという方にはおすすめです。
ヤマハの防音室にはレンタルできるサービスもあるので、よかったら参考にしてください。
ヤマハとカワイの違いを紹介!
ヤマハのアビテックスとカワイのナサールはどのような違いがあるのでしょうか?
ピアノの防音室の購入を検討している方は、気になるかと思います。
今回、比較した項目は以下のとおりです。
- 遮音性能のバリエーション
- サイズ展開
- ドア
- 音の響きを調整する吸音・調音パネル
- 工事日数
それぞれみていきましょう!
遮音性能のバリエーション
遮音性能のバリエーションは、ヤマハとカワイで少し違いがあります。
ユニットタイプの防音性能のバリエーション
ヤマハアビテックスセフィーネNSは、Dr-35、Dr-40の2種類です。
カワイナサールは、スタンダードタイプDr-30、Dr-35、Dr-40の3種類あります。
カワイの方が種類が多いのですが、ピアノの場合、Dr-30はピアノには防音性能としては弱いので、Dr-35以上の遮音性能があった方がいいです。
カワイナサールには、ユニットタイプで高遮音タイプがありますが、それだとDr-50遮音性能が見込めます。
自由設計(フリー)タイプ
ヤマハアビテックスのフリーシリーズの場合、基本仕様がDr-30、Dr-35、Dr-40の3種類です。
それ以上の遮音性能の場合、特注になるようです。
カワイナサールオーダータイプルームプランの場合、基本仕様がDr-35、Dr-40の2種類です。
カワイナサールは、オーダープランフリープランがあり、Dr-65以上の性能をもたせることもできます。
サイズ展開
ユニットタイプのヤマハアビテックスナサールNSは、0.8畳~4.3畳まで展開しています。
自由設計だと、0.5畳~30畳まで対応しています。
ユニットタイプのカワイナサールは、ライトタイプだと0.8~4.3畳、スタンダードタイプだと2~4.9畳、ユニットカスタムタイプで2~10畳、高遮音タイプの場合、3.4~4.6畳となっています。
カワイのオーダータイプはおそらくサイズの上限はないと思われます。
ドア
ヤマハは、木製防音ドアでホワイト系の色しか選べません。
カワイの防音ドアは、シルクとホワイトの2色から選ぶことができます。
出典:https://www.kawai-os.co.jp/product.aspx?type=03
音の響きを調整する吸音・調音パネル
防音室には、音の響きをコントロールする吸音・調音パネルが設置されます。
これがないと、とにかくうるさくて演奏してられなくなると思います。
ヤマハアビテックスセフィーネNSのパネルは「音場壁パネル」が使われています。
好みの響きになるように、パネルを外したり取り付けたりして微調整できる仕組みになっています。
カワイナサールユニットは、スタンダードタイプで2種類の吸音パネルが設置されます。
高音域用のパネルと全音域用のパネルがそれぞれついてきます。
パネルを取り外したり、自分で響きを調整することはできませんが、オプションで吸音パネルを追加することはできます。
しかし、カワイの場合防音室の大きさによって、ついてくるパネルの枚数は違います。
ライトタイプという安い価格のユニットもありますが、吸音パネルが高音域用のみなので、ピアノには向いていないかなと思います。
工事日数
ヤマハアビテックス(ユニットタイプ・自由設計どちらも)の場合は、予約して1カ月ほどで防音室の組立や工事にとりかかるそうです。
ユニットタイプは、約半日で組立完了、自由設計は、6~8畳で通常1週間ぐらいの日数がかかります。
カワイナサールは、受注後最短で10日で納期ができるそうです。
ユニットタイプは2日程度、オーダータイプは3~4日で完成できるプランもあるのだとか。
注文が集中している場合は、希望に添えないこともあるみたいです。
ヤマハとカワイどっちがいいのか
防音性能はどちらもあまり変わらないという方もいらっしゃいますが、Dr等級が同じでも実際に聞いてみると、ヤマハとカワイで違いがあることがわかりました。
ヤマハの方が漏れやすく、カワイの方が遮音されているなと感じました。
しかし、極端に差があるわけではないので、そこまで気にされることはないかなと思います。
コスト面からみると、ヤマハの方が少しばかり安いので、金額で考えるのであればヤマハを選ぶといいと思います。
防音室内の音の響きは、ヤマハの場合音を結構吸収するみたいで響きにくい感じ、カワイはヤマハよりは少し響くような感じになります。
音の響きに関しては好みなのでなんともいえませんが…。
私だったら、値段が少しでも安いヤマハを選ぶかなぁと思います。
ヤマハの場合レンタルもあるので、気軽に防音室を取り入れられそうです。
しかし、ヤマハのレンタルは2畳までのサイズしか対応していませんので、グランドピアノの防音室をご希望の場合は、購入するしかなさそうです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ピアノの防音室の費用は、アップライトピアノでだいたい100万円~、グランドピアノで130万~ということでした。
ユニットタイプであれば、移動も可能ですし料金も自由設計に比べれば高くないので、マンション住まいの方で騒音で悩んでいる場合など、ユニットタイプは手軽でいいですね。
中古もありますが、値段はピンキリ、お店によっても値段に差がありそうなので、少し探した方がいいかもしれません。
新築やリフォームの場合は、ピアノメーカーの自由設計タイプにするか、その他防音工事メーカーに見積もってもらうのがいいと思います。
新築やリフォームの場合、相場200万円~という場合が多いようです。
ヤマハカワイの違いは、若干ありますがほとんどないといってもいいのではないでしょうか?
防音室を展示しているお店もあるので、実際に見に行ってみるのが一番いいと思います!
以上、ピアノの防音室の費用は中古と新築とリフォームとマンションの場合どれぐらい?ヤマハとカワイの違いを紹介!と題してお届けしました。