ピアノの消音機能とはなんなのでしょうか?
ピアノの購入を検討されている方はお聞きになったことがあるかもしれませんね。
アップライトピアノに消音機能を後付けすることができるのかも気になりますよね。
マンションで、アコースティックピアノを置くとなると、できるだけ防音に心がけたいと思う方は多いかと思います。
マンションでアコースティックピアノを使用する場合、消音機能は必須なのかどうかも説明していきます。
今回は、ピアノの消音機能とは?アップライトへの後付けについてやマンションには必須かどうか紹介!と題してお届けします。
目次
ピアノの消音機能とは?
ピアノの消音機能とはどのようなものなのでしょうか?
簡単に言えば、アコースティックピアノでありながら、音を消して、ヘッドホンを使用してピアノの演奏することができる機能です。
消音ユニット、消音装置、消音器、サイレント機能、サイレントピアノ…と呼び名は様々です。
ちなみに、サイレントピアノは、ヤマハの商標です。
カワイは、ANYTIME。
どのような仕組みになっているか説明していきます。
消音機能の仕組み
出典:https://www.kawai.jp/support/buy/diff_up/
まず、通常のアップライトピアノの動き方は、鍵盤を指で押した力がアクションへ、そしてハンマーへ伝わり、弦を叩いて音を鳴らします。
アップライトピアノの仕組みについての詳細は、以下のブログで説明しています。
音が出なくなる仕組みですが、上の画像の赤い部分に消音専用のストッパーを取り付けます。
ストッパーが手前に引き出され、ハンマーが弦に当たらないように、ハンマーをさえぎり、鍵盤下のセンサーが反応して、サンプリングされた音源を鳴らします。
オフの時は、ハンマーが弦に当たるように、バーが奥に移動して、生のピアノの音が響きます。
消音機能のオンオフの切り替えは、以下の画像の専用レバーと消音機能のコントローラーを使って切り替えます。
出典:http://www.magic-star.jp/products/index.html
ヤマハとカワイのアップライトピアノの純正の消音機能は、通常ではマフラーペダルである真ん中のペダルが、消音機能の切り替えペダルになっています。
なので、純正の消音機能がついているアップライトピアノは、マフラーペダルの機能はありません。
ピアノのペダルの意味については、別記事で詳しく紹介していますので、よろしければご覧ください。
様々な機能
消音機能には、メーカーや機種によりますが、様々な機能が備わっています。
- ピアノ以外の音色(オルガンやストリングスなど)が内蔵されている
- メトロノームの機能が内蔵されている
- USBメモリーで、演奏データを保存でき、簡単にパソコンなどで再生ができる …… etc
メーカーや機種によって機能は異なりますが、電子ピアノの機能と同じようなことがアコースティックピアノでできてしまいます。
ピアノの消音機能のアップライトへの後付けについてやマンションには必須かどうか紹介!
すでにアコースティックピアノをお持ちの方は、このピアノに消音機能をつけられたら…と思っている方もいらっしゃるのでは?
大人になってピアノを始められた方がよくおっしゃるのは、「下手な演奏を聞かれるの恥ずかしい」とのことです。
消音機能があれば、気兼ねなく練習できますよね。
それと、やはりマンションなどの集合住宅にアコースティックピアノが置くとなると、音の対策が気になりますよね。
マンションの場合、消音機能は必須なのかどうか、難しい問題ですよね。
ピアノの消音機能の後付けはできる?
ピアノに消音機能を後付けできるのかは、結論から申し上げますと、だいたいどのピアノにも取り付けることが可能です。
ただし、一部取り付けることができない機種があります。
ヤマハの、YUAやW201、W202などの、クイックリターンアクション搭載のピアノの場合、消音機能の取り付けは基本的にできませんので、取り付ける前に確認が必要です。
ちなみに、グランドピアノにも取り付け可能です。
ただ、消音機能を取り付けると、ピアノにとってよくないこともあります。
消音機能なしでもできる防音対策を説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
マンションには消音機能が必須?
マンションなどの集合住宅ですと、アコースティックピアノで気になる点はやはり「音」ですよね。
マンションでの消音機能取り付けの必要性を見ていきましょう。
マンションの規約やルールを確認
当たり前のことですが、マンションの規約やルールを確認しておきましょう。
ピアノ不可であれば、消音機能がついていようがついていまいが、置いてはいけません。
そして、ピアノ可のマンションでも、弾いていい時間が決まっている場合がほとんどだと思います。
このルールを守っていなければ、当然のことながら苦情に繋がります。
マフラーペダルを活用する
アップライトピアノに限りますが、真ん中のペダルは踏み込むと、音を弱くして演奏することができます。
だいたい、テレビぐらいの音量にまでおさえられるので、比較的しっかり防音できるかと思います。
弦の間にフェルトを挟んで音を弱くする仕組みのため、音がモコモコとこもるような感じにはなりますが、音をおさえたい時間には、活用できるかと思います。
吸音パネルやを床補強ボード活用する
アップライトピアノの音は、後ろから出ているため、後ろにこのようなパネルを後ろに入れ込むと、ある程度の効果が見込めます。
鍵盤を叩く音が響く場合があるようなので、床補強ボードを活用するのも効果があると思います。
ただ、効果があるといっても、建物のつくりなどによって効果に差があるようです。
両隣や上下階のお部屋の方に挨拶を
結局は、ご近所さんとの関係が円満であれば、なんら問題ありません。
両隣と上下階のお部屋の方には、手土産などをもって、挨拶に伺うといいと思います。
「大体〇時~〇時の間は、音を鳴らします。夜の〇時以降は弾かないようにしますが、ご迷惑な場合は、ご連絡をください。」
などと言って、連絡先をお渡ししておくと、よりいいかもしれませんね。
上記の対策でクレームが来てしまった場合
上記の対策で、クレームが来てしまった場合は、まず、マンションのルールを守れているかを確認してください。
時間や音量が規定を超えていたならば、謝罪が必要です。
ですが、ルールを守れていれば、管理会社などに連絡して状況を伝えてください。
音量が規定より超えてしまっている場合は、消音機能を取り付けるか、防音室を検討した方がいいと思います。
消音機能の取り付けを検討する前に
消音機能は、電子機器ですので、もちろん電子ピアノと同じように寿命があります。
必要ないのに、早いうちにつけてしまうと、故障する時期が早くなってしまう可能性があります。
お子様が中学生になられると、部活などで帰宅時間が遅くなり、練習する時間も夜遅くになってくるかもしれません。
夜遅くにピアノの音をならすのは、迷惑になってしまうので、消音機能を後付けして、遅い時間に練習する時は、消音機能で練習するといいと思います。
しかし、一番の理想は、ピアノに消音機能などの電子機器をなにも取り付けないことです。
個人的な意見にはなりますが、消音機能は、ピアノに取り付ける際、ピアノに穴をあけることになります。
消音機能を外した後は、もちろんその穴が残った状態になります。
しかも、ピアノを買取しようと思った時には、消耗品がついているということで、買取金額が減額されます。
そして、調律師の目線から言えば、部品の調整がかなりしにくくなります。
あと、消音機能を取り付けると、「レットオフ」という調整もずらさないといけないため、多少ではありますが、タッチも変わってしまいます。
その点も踏まえた上で、私は、あまり消音機能をおすすめしていません。
ピアノの消音機能のまとめ
ピアノの消音機能とは、アコースティックピアノでありながら、音を消して、ヘッドホンを使用して演奏することができる機能です。
アコースティックピアノと電子ピアノの機能を両方楽しめるということですね。
後付けも、基本的には、どのアップライトピアノにも可能です。
グランドピアノにも後付けすることができますが、グランドピアノにつけるのは正直もったいないように思います。
アコースティックピアノは寿命は長いですが、消音機能は、寿命は短いですし、買取価値も下がります。
マンション住まいで、アコースティックピアノを置く場合は、マンションの規約に沿って、時間など配慮してピアノの練習するようにしてください。
できる限りの防音対策をして、どうしても防ぎきれない場合は、消音機能を取り付けるといいと思います。
以上、ピアノの消音機能とは?アップライトへの後付けについてやマンションには必須かどうか紹介!と題してお届けしました。