ピアノのクリーニングについて、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
久しぶりの調律の場合や、ピアノの移動をする際にすすめられることが多いかと思います。
ピアノのクリーニングの必要性はあるのでしょうか?
自分でできたらいいなと思っている方もいらっしゃるかと思うので、ご家庭でできるクリーニングのやり方も紹介します。
今回は、ピアノのクリーニングの必要性はある?自分でできる方法を紹介!と題してお届けします。
目次
ピアノのクリーニングの必要性はある?
クリーニングとは、具体的にどのようなことをクリーニングしていくのでしょうか?
まずは、ピアノのクリーニングの説明からさせていただきます。
ピアノクリーニングとは
ピアノのクリーニングとは、ピアノの外装面や金属類のサビを磨いたり、カビや汚れ、ほこりなどを取り除く作業です。
ピアノは、金属や木材でできていますので、ピアノの置いている環境により、金属類はサビ付き、木材はカビが発生することがあります。
また、キッチンのそば、ダイニングなどにピアノを設置している場合は、キッチンでの料理や、ダイニングでの鉄板焼きやお鍋からの油跳ねや蒸気で、ピアノが汚れやすく、内部にサビやカビを発生する傾向があります。
タバコを吸う方がいる場合は、ヤニ汚れが外装面にこびつりつき、くすみます。
業者によって異なるかと思いますが、ピアノのクリーニングで値段が比較的安価な場合、外装面のみのクリーニングで、内部は手を付けてない場合があります。
外装面のクリーニングと内部のクリーニングは、具体的にどのような作業なのでしょうか?
外装
外装のクリーニングは、表面上の汚れを取り除いて、その後、バフという磨きの機械を使って、艶出しをしていく場合が多いです。
バフを使うので、擦り傷程度の傷はきれいになります。
大き目のキズの補修となると、追加で費用が掛かるでしょう。
内装
内装のクリーニングは、上の画像のようなチューニングピンと弦のサビを取り除く作業や、鍵盤の下のほこりの除去、アクションの掃除などです。
内装のクリーニングで、内部部品の交換がついていると勘違いされる方がいらっしゃいますが、クリーニングのみで、別途部品の交換は、別料金のことが多いです。
内部のクリーニングは、弦を磨いていきますが、低音部の巻線の銅線部分まで磨いている業者がありますが、要注意です。
見た目はすごくきれいに仕上がりますが、低音の巻線の銅線部分は非常に繊細なのです。
その繊細な銅線部分をガリガリと磨いてしまうと、巻き線に悪影響が出てきます。
巻線を磨くと、銅線がゆるんでしまい、雑音交じりの音になる「ジン線」や、逆に銅線の巻き付けがきつくなって、音の伸びがなくなる「ボン線」になることがあります。
しかし、こららを確認することも難しいので、クリーニング後、もし低音の音を確認してみて、響きがおかしいと感じた場合は、業者に問い合わせて確認してみるといいでしょう。
あとは、8000~1万個あるアクション部品の掃除、鍵盤磨き、鍵盤の下の掃除や底板の掃除などなど、すみずみまで掃除をしていきます。
ペダルなどの真鍮類
年数がたつにつれて、ペダルや蝶番類はどうしても黒ずんできます。
こちらも、バフを使って艶をよみがえらせます。
クリーニングの必要性
結論から言いますと、状態によってはした方がいいと思います。
した方がいいというのは、しなくてもまぁ大丈夫という感じです。
ただ、弦のサビがひどい場合は、弦が切れるのを予防できるため、しておいた方がいいかなと思います。
ただ、クリーニングで弦のサビを落としたから、絶対に弦が切れないというわけではないので、ご注意ください。
弦は、サビの他に経年劣化や金属疲労などの理由で、調律中や演奏中または、何もしていないのに急に切れることもあります。
切れてしまった弦は張り替えることができますので、弦が切れたら終わりということではありませんので、ご安心ください。
自分でできる?
クリーニングの費用は、結構お高いものです。
自分でできたら…と思ってしまいますよね。
一般の方でもできる方法はあるのでしょうか?
自宅でできることの限界
ピアノのクリーニングの醍醐味は、やはり新品に近いところまできれいによみがえらせることができることです。
しかし、自分でそれができるのかどうなのかというと、限界があります。
外装
しかし、外装面を新品のような艶を出すには、やはりバフを使わないとなかなかきれいな状態にすることは難しいです。
なので、汚れがひどい場合は、業者に依頼するのがいいと思います。
外装面を自分でする場合は、外装面のみ汚れふき取り、ユニコン(ピアノ用ワックス)で仕上げるといいでしょう。
艶がないタイプの外装の場合は、ユニコンは使えないので、専用のクリーナーを使ってくださいね。
内装
内装については、知識がなく内部をさわることは、不具合の原因になりますし、危険も伴いますので、避けた方が無難です。
グランドピアノの場合は、譜面台の下のチューニングピンのあたりや、フレーム部分などは、掃除機をかけたりしても大丈夫ですが、乱暴にすると傷がつきますので、注意してください。
ペダル
ペダルも自分で磨くことができます。
ピカールという研磨剤を使って、ひたすら磨いていくと、きれいになります。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
ただ、こちらもやはり、バフをかけると見違えるほどきれいになりますので、とてもきれいにしたいという場合は、業者に依頼してください。
ピアノの移動の予定がある場合
ピアノの移動の予定がある場合、クリーニングをするのにもってこいのタイミングですので、ぜひクリーニングをおすすめします。
特にひどい汚れがある場合や、長年弾いていなくて、調律もしていない状態の場合は、しておいた方がいいでしょう。
年代や状態によっては、オーバーホールをした方がいい場合もあるので、移動の前に内部診断や見積もりを依頼するのもいいと思います。
年式が新しめのピアノで、調律を定期的にしている場合は、お金をかけず、自分で外装面を磨いてしまうといいと思います。
ピアノをきれいに保つために
ピアノをきれいに保つ方法は、やはり日々のお手入れをすることです。
日々のお手入れを欠かさずやっているピアノとそうでないピアノを比較すると、きれいさが全然ちがってきます。
毎日、毛ばたきでほこりを取り除き、クロスで乾拭き、1か月に1度ぐらい、固く絞った雑巾で水拭きし、クロスにユニコンをつけて仕上げるときれいになります。
以下の記事に詳しく書いていますので、よろしければ、ご覧ください。
まとめ
ピアノのクリーニングの必要性は、状態によってはした方がいいし、しなくてもいいという感じでした。
長年弾いていかったり、調律をしていなかったり、状態があまりにもひどい場合は、した方がいい場合もあるので、ケースバイケースなのです。
しかし、「新築をたてたので、実家にあるピアノを持ってきたい」「だれかにピアノを譲ることになった」といった、ピアノを移動する予定があるときは、移動をする前に、ピアノ工房に預けてクリーニングする絶好のタイミングだと思います。
そして、自分でクリーニングできるのかということは、外面はある程度はきれいにできますが、内装は、不具合や危険がともなうことがあるので、避けてください。
以上、ピアノのクリーニングの必要性はある?自分でできる方法を紹介!と題してお届けしました。