ピアノのメーカーは、意外にたくさんあります。
ピアノの購入を検討する際に、おそらく日本の一流メーカーのヤマハやカワイの他にも聞いたこともないメーカーに出会うこともあるかもしれません。
今回は、海外のピアノメーカーを一覧にし、おすすめランキングにします。
今話題のピアノメーカー、fazioli(ファツィオリ)についても触れていきます。
そして、世界のピアノのロゴマークも比較していきたいと思います。
今回は、ピアノの海外メーカー一覧とおすすめランキングを紹介!世界のピアノロゴマークを比較!と題してお届けします。
目次
ピアノの海外メーカー一覧とおすすめランキングを紹介!
以前の記事で日本のピアノメーカーは一覧にしましたが、今回は海外のピアノメーカーを一覧にします。
調律師が選ぶ海外のピアノおすすめランキングも紹介していきたいと思います。
海外のピアノメーカー一覧
海外メーカーも数多くあるので、代表的なメーカーを抜粋して紹介します。
ドイツ
BECHSTEIN ベヒシュタイン |
BLÜTHNER ブリュートナー |
GROTORIAN STEINWEG グロトリアン シュタインヴェーク |
STEINWAY&SONS スタインウェイ |
ドイツは、ピアノの歴史を語る上でかかせないブランドがたくさんあります。代表的なメーカーをかるく解説させていただきます。
STEINWAY&SONS スタインウェイ&サンズ
まず、世界最高峰のピアノともいえるブランド「STEINWAY&SONS」ですね。
スタインウェイは、アメリカのニューヨークにも工場があるのですが、日本で見かけることが多いのは、ドイツのハンブルグ制のピアノです。
それぞれ製造過程やデザインが異なり、「ニューヨークスタインウェイ」「ハンブルグスタインウェイ」と呼びわけています。
BECHSTEIN ベヒシュタイン
続いて、世界三大ピアノのひとつとされる「BECHSTEIN」。
ベヒシュタインは、初めて聞いた名前という方が多いかと思いますが、ピアノの歴史を語る上で重要なメーカーです。
ベヒシュタインは、1853年に創業しています。(スタインウェイも同じ年)
ご存じの方も多い作曲家の「リスト」は、ピアノを1回の演奏会で壊してしまうほど激しい演奏だったそうです。(どんだけ激しいねんと突っ込みたくなりますよね…笑)
これを見た創業者の「カール・ベヒシュタイン」が、激しい演奏にも耐えられる、かつ、繊細な演奏もできるピアノを開発しました。
「あのリストの演奏にも耐えられるピアノ」と評価されて、有名になっていきました。
実は、私が専門学校の頃に、ドイツのベヒシュタインの工場を見学させていただいたことがあるのですが、音色も素晴らしく個人的に大好きなピアノメーカーです。
BLÜTHNER ブリュートナー
ブリュートナーは、ドイツのライプツィヒにあるピアノメーカーで1853年なので、スタインウェイと同じ年に創業しました。
特徴としては、「アリコートシステム」といって、通常弦が1音につき3本弦が張られるところを、高音部のみあえて4本張られています。
この4本目弦はハンマーは叩かれず、共鳴させるために張られています。
倍音増幅させるための構造です。
ヨーロッパのコンサートグランドピアノで、販売数が2番目に多い記録があります。(2005年)
GROTORIAN STEINWEG グロトリアン=スタインヴェーク
グロトリアンは、ドイツの高級ピアノメーカーです。
工房を設立したのは、ハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク(のちのスタインウェイ。アメリカ移住後スタインウェイに改名。)でした。
後に、グロトリアンと出会い、共同経営していくこととなります。
グロトリアンのピアノの特徴は、背面の支柱が星形になっていて、ピアノを補強できる設計になっています。
この支柱は、ヤマハも過去に真似して作っていました。
オーストリア
BÖSENDORFER ベーゼンドルファー |
HOFFMANN ホフマン(BECHSTEIN OEM) |
Wendl&Lung ウェンドル&ラング |
オーストリアといえば、ウィーンという音楽の都と言われている都市がありますが、有名なピアノメーカーは少ないようです。
BÖSENDORFER ベーゼンドルファー
ベーゼンドルファーは、世界三大メーカーのひとつです。
ベーゼンドルファーといえば、鍵盤数が標準的な88鍵のピアノだけでなく、低音部が拡張されている92鍵、97鍵のピアノを製造しています。
品質に徹底的にこだわって少量生産を続けていて、これまでの生産台数の数は、ヤマハよりも100分の1の数だそうです。
ベーゼンドルファーは、2008年からヤマハの完全子会社になっています。
Wendl&Lung ウェンドル&ラング
ウェンドル&ラングは、オーストリアのウィーンで設立されました。
現在は、中国の協力工場でピアノ製造されています。
日本では、アサヒピアノが総代理店となって、2004年から輸入されています。
アサヒピアノで日本での環境に慣らすためのシーズニングを行って、最終調整をして出荷しているそうです。
設計は、ウィーンの伝統的な設計を受け継いでいて、中国で製造することでコスパがいいです。
フランス
ERARD エラール |
GAVEAU ガボー |
PLEYEL プレイエル |
フランスは、ショパンに愛されたプレイエルをはじめ、「ダブルエスケープメント」という早い連打ができる打弦機構の発明をしたエラールなど、ピアノの歴史上大事な役割を果たしてきました。
ERARD エラール
エラールは、上記でも示したようにピアノの発展に最も重要と言える「ダブルエスケープメント機構を発明しました。
他にも、「アグラフ」という弦をおさえるために使用される真鍮の鋲のようなものも発明しました。
第二次世界大戦などにより、ガヴォーと合併、その後プレイエルとも合併してエラールの名前は消えてしまいました。
現在は製造されていません。
イタリア
FAZIOLI ファツィオリ |
イタリアは、ピアノを発明したクリストフォリの生誕地です。
ピアノの起源の地となったイタリアですが、ピアノの製造の中心地はオーストリアやフランスなどに移っていきました。
イタリアのピアノメーカーはなかなか発展できませんでした。
そして、ここ最近テレビにも出てくるようになったイタリアのピアノメーカー「ファツィオリ」が話題になっているのはご存じでしょうか?
FAZIOLI ファツィオリ
ファツィオリは1981年創業ですが、スタインウェイが1953年創業なので、比較的新しいピアノメーカーです。
歴史は浅い方ですが、有名コンクールでも採用されているほど評価されているピアノです。
特徴的なのは、ペダルが4本あること!
出典:http://www.fazioli.co.jp/products/standard/f308.html#
ピアノのペダルは通常3本ですが、左側にもう1本追加されています。
第4ペダルは、ハンマーと弦の距離が短くなり、同時に鍵盤が浅くなる仕組みになっています。
通常のペダルについての説明は、>>ピアノのペダルの意味は?左側や真ん中のペダルの使い方を紹介 をご覧ください
韓国
YOUNG CHANG ユンチャン |
SAMICK サミック |
ROSEN STOCK ローゼンストック |
YOUNG CHANG ユンチャン ROSEN STOCK ローゼンストック
ローゼンストックは、英昌(ユンチャン)楽器製造で製造されていたメーカーです。
1956年にヤマハの韓国代理店として設立されました。
ローゼンストックは現在製造されていませんが、販売当時はかなりの台数が売れたみたいです。
「ユンチャン」は「ヨンチャン」とよばれることもあるようです。
アメリカ
BALDWIN ボールドウィン |
CHICKERING チッカーリング |
STEINWAY&SONS スタインウェイ |
STORY&CLARK ストーリー&クラーク |
スタインウェイを筆頭にわりと有名メーカーがあります。アメリカは、やはり有名なのはスタインウェイ&サンズですよね。
スタインウェイは先ほど説明したので、今回はボールドウィンの紹介をします。
BALDWIN ボールドウィン
1873年に創立されています。
D.H.ボールドウィンが設立したメーカーですが、D.H.ボールドウィンはもともと音楽教師でしたが、会社を設立しピアノ販売をするようになり、ピアノ制作を開始しました。
知名度は高く、現在はギターで有名の「ギブソン・ギター・コーポレーション」の子会社になっています。
中国
PEARL RIVER パールリバー(珠江) |
AUGUST HOFFMAN オーガストホフマン(ドンペイ) |
日本のピアノメーカーも中国で生産をしているぐらいです。
現在は、数多くのものが「Made in China」と記載されているものが大半だと思いますが、ピアノも生産拠点が中国になっているのが現状です。
PEARL RIVER パールリバー(珠江)
聞いたことがないという方が多いかもしれませんが、私自身見かけたことがあるピアノです。
現在世界売上NO.1のメーカーです。
有名なのは、スタインウェイのブランド「エセックス」はパールリバーの工場で作られていることです。
なので、最近のものは品質は結構向上しているのではないかなと思うのですが…
個人的な意見としては、中国で生産することによりとても安価なのですが、後々、後悔することがあるかも…しれません。
北朝鮮
PACO パコ |
GRATIAE グラチア(パコ) |
これを見て、「え?!北朝鮮でピアノをつくっているの?」びっくりされた方多いのではないでしょうか?
PACO パコ
「北朝鮮のピアノなんて、ちゃんと音はなるのか?」と心配される方もいるかもしれませんが、ちゃんと音なりますよ(笑)
品質は個人的な感想になりますが、そこまで悪くもないがよくもないという感じです。
簡単な部品のみ北朝鮮で作って、その他の部品は日本で組み立てていたそうなので、北朝鮮と日本のコラボピアノという感じでしょうか。
上記に示した「グラチア」は、パコのブランドです。
海外ピアノランキング
個人的な好みも少々入っていますが、ベスト3をランキングにしていきたいと思います!
1位 STEINWAY&SONS スタインウェイ&サンズ
やはり1位は抜きんでてスタインウェイですね!
だれもが認める音色、音量、タッチ…すべてにおいてすばらしいです。
2位 BÖSENDORFER ベーゼンドルファー
ベーゼンドルファーは、ショパン国際コンクールで採用されていましたが、2005年より公式ピアノから除外されてしまいました。
しかし、やはり人気あるピアノです。
なんといってもピアノ全体で音を響かせているということは、とても魅力的です。
3位 FAZIOLI ファツィオリ
3位は最近注目を集めているファツィオリにしました。
スタインウェイなどは大量生産される中で、ファツィオリは、年間120~130台とかなり少数なんですね。
スタインウェイなどとはまた違う音色ですが、なんともいえない素敵な音色です。
世界のピアノロゴマークを比較!
今回は、世界のロゴマークということで、日本の有名メーカーと海外の三大メーカーのロゴをチェックしたいと思います。
日本のピアノメーカーロゴマーク
日本のメーカーといえば、ヤマハとカワイだと思うので、見ていきましょう!
ヤマハ
ヤマハのロゴマークは、上記画像の音叉を3本掛け合わせたデザインです。
この3つの音叉には意味があって、ヤマハの「技術」「製造」「販売」の3部門の強い協力体制を表しています。
音楽の基本の「メロディー」「ハーモニー」「リズム」の調和という意味もあるようです。
そして、楽器製造の「ヤマハ」とオートバイ製造の「ヤマハ発動機」とで、ロゴマークに微妙な違いがあります。
出典:https://www.yamaha.com/ja/about/history/logo/
楽器製造のヤマハは、音叉の先が円をおさまっていて、YAMAHAの「M」の文字の中央が下についておらず、アルファベットの形も左右非対称の文字形態になっています。
対してヤマハ発動機は、音叉が外周まで伸びていて、YAMAHAの「M」が下についていて、各文字左右対称の文字形態となっています。
カワイ
出典:https://www.kawai.jp/product/k-700/
出典:https://www.kawai.jp/product/sk-7/
カワイのロゴは、グランドピアノの通常タイプには「K.KAWAI」が使われ、高級機種には「SHIGERU KAWAI」のロゴが使用されています。
アップライトピアノは、「KAWAI」の文字が鍵盤蓋に記されています。
海外のピアノメーカーロゴマーク
海外のロゴマークを見ていきましょう。
世界ピアノ三大メーカーをみていきます!
スタインウェイ
明後日9/14(月)17:00~です。 #スタインウェイ の直営店より、ライブ配信!
3回シリーズでお届けする、スタインウェイピアノの構造 第1回は スタインウェイピアノの音色を生み出す「木材とリムについて」。
当日はチャットでのご質問もお受けします。どうぞご参加ください。https://t.co/OwzKfLM4V4 pic.twitter.com/qYyndJNysE— スタインウェイジャパン (@Steinway_Japan) September 12, 2020
おしゃれですね。
ロゴマークは、STEINWAY&SONSの頭文字をモチーフにしてありますね。
ベヒシュタイン
出典:https://www.bechstein.co.jp/products/d282/
ベヒシュタインのロゴは王冠がかわいらしい!
鉄骨のエムブレムは、ライオンのいかつい表情が特徴的です。
ベーゼンドルファー
ベーゼンドルファーかっこいい…主にロゴが pic.twitter.com/pp7byhlUvm
— RyottaNgo(Nago_xx) (@ryottango) September 9, 2016
ベーゼンドルファーはのロゴは、本当に高級感があってかっこいいですね!
まとめ
海外のピアノメーカーを一覧にしておすすめランキングも紹介しました。
少し長くなってしまったのですが、まだまだ紹介したいメーカーがあるぐらいで、海外のピアノメーカー膨大な数のメーカーがあることがわかります。
FAZIOLIのような比較的珍しいピアノも、今後どんどん有名になっていってほしいなと思います。
世界のピアノロゴマークも、ほんの一部ですが紹介しましたが、見ているとわくわくします。
以上、ピアノの海外メーカー一覧とおすすめランキングを紹介!世界のピアノロゴマークを比較!と題してお届けしました。