ピアノの購入するにあたり、新品のピアノと中古のピアノどちらがおすすめなのか、よくご質問をいただきます。
新品ピアノと中古ピアノのメリットとデメリットを紹介していきます。
メリットとデメリットを踏まえて、おすすめと違いを説明していきます。
今回は、ピアノは新品と中古のどちらがおすすめ?違いはなに?と題してお届けします。
目次
ピアノの新品と中古のどちらがおすすめ?
ピアノの新品と中古はどちらがおすすめなのでしょうか?
それはやはり、お客様の価値観や予算などによって変わってきます。
個人的には、断然中古ピアノを選びます!
その理由は後程説明します。
ピアノの販売店の方針などによって、新品をおすすめするお店もあれば、中古ピアノすすめられるお店もあるのです。
しかし、普段は中古をおすすめしている販売店でも、ノルマや在庫処分などの理由で新品を販売しないといけない時があり、新品をごり押ししてくるお店もあったりもします。
ヤマハやカワイなどメーカーの販売店だと、ノルマがあるので、中古を避けるようにセールストークをするのが普通です。
なので、言い方が悪くなってしまいますが、新品いいことばかりを盛ってトークしてくると思います。
私の言いたいことは、お店の販売員の方の巧妙な言い回しに惑わされず、自分の意思をしっかり持った上で、販売店へ足を運んでいただきたいです。
それでは、新品と中古のデメリットやメリットを説明して、それぞれの違いを見ていきましょう。
違いはなに?
新品ピアノと中古ピアノの違いはなんなんでしょうか?
まず、現代のピアノ市場では、中古ピアノが主流になっています。
その背景にはなにがあるのでしょうか?
新品ピアノと中古ピアノの市場の流れ
現在は、新品ピアノの生産台数は昔に比べると大幅に減っていて、中古ピアノの方が売れている時代なのです。
新品ピアノが爆発的に売れたのが、1960年代の高度経済成長期のころです。
高度経済成長期には、土地や生活用品などの物価が上昇していましたが、ピアノは価格はそれほど上昇しなかったといいます。
なぜかというと、大量生産をできるように確立していたからです。
そのため、日本は世界でも類を見ないほどピアノが普及していきました。
一家に一台ピアノがあったといわれていました。
その頃の新品ピアノの販売台数は、ヤマハで約30万台生産していたのですが、1980年ごろから売り上げは減少し、現在はおよそ1万台ほどまでに減少しています。
びっくりするほど減ってますよね。
少子化や住宅環境の変化、デフレ…などによって、新品のピアノが売れなくなっていったのです。
当時爆発的に売れていた新品ピアノが、時代が変わり、中古ピアノとして販売されていきました。
顧客のニーズが変わり、値段がお手頃な中古ピアノが求められるようになりました。
このことを受け、多くの販売店も、新品の販売量が少なくなって、新品の展示までも減らしていったのです。
新品ピアノのメリットとデメリット
現在では、売れにくくなっている新品ピアノの、メリットとデメリットはなんなんでしょうか?
新品のデメリットには驚く方もいらっしゃるかもしれません。
・まっさらな状態で使用できる
・中古ピアノよりも長く使用できる
・買取価値が中古ピアノに比べると高い
「誰が使ったわからにピアノを使うのは抵抗がある」といった方は、新品を選ぶ方が多いですね。
しかし、現代の新品ピアノには、大きなデメリットがあるので、以下の点も頭に入れて検討してください。
・価格の安い新品ピアノは、インドネシアなどの東南アジアで製造されたピアノが多く、品質がよくなく、国内製造の新品ピアノも品質が落ちている
・弾きこまれていないため、音色が安定していない(弾きこめば改善される)
・中古に比べると高値
値段が高い上に、最近のピアノは本当に品質が落ちています。
新品ピアノの値段、アップライトピアノのスタンダードモデルでだいたい80万円近くしますが、昔よりもかなり品質が落ちています。
ただし、高級機種は別です。
ちなみに、高級機種の値段はアップライトピアノで100万円以上です。
中古ピアノのメリットとデメリット
中古ピアノのメリットとデメリットは以下のとおりです。
・高級機種でもお手頃な値段で購入できる
・メンテナンスがきちんとされていれば、新品よりも品質がいいものが多くあり、中古とはいえ長く使用できる
きちんと修理がされていれば、本当にいいピアノがお手頃価格で手に入ります。
しかし、やはりデメリットがあります。
・新品に比べると寿命が短い
・買取前にかなり弾きこんでいるピアノの場合、ハンマーが劣化している恐れがある(交換していれば別だが、交換せず削る修理のみしている場合が多い)
・状態の良し悪しは、素人にはなかなか判断できない
寿命が短いとはいえ、お子様が大人になるまでは、普通に弾いていただけるかと思います。
販売店によっては、外装だけきれいにして、内部の消耗部品などをそのままにして、安い値段でそのまま販売しているところもあるようでです。
ただ、内部の状態をしっかり確認できればいいのですが、内部の状態を素人が見たところで、修理できいるか否かの判断は難しいです。
一番いいのは、信頼できる調律師と一緒に選んでもらうことです。
それと、避けていただきたいことは、ピアノの先生に助言をもらうことです。
これは本当に大事です。
これは本当によくあることなのですが、ピアノを選びにいくお客様が二言目に言う言葉が、「ピアノの先生に相談しないと…」なのです。
しかし、ピアノの先生は、ピアノという楽器に対する知識は持っていない方がほとんどなのです。
よく考えてみてください。
ピアノの先生は、ピアノの演奏を教えるだけで、自分でピアノのメンテナンスはできない方がほとんどです。
ピアノは演奏できても楽器の勉強はほとんどしていない先生がほとんどです。
一番ピアノの知識があるのは調律師なので、ピアノの先生に相談せず、調律師に相談するのが得策です。
ちなみに黒い話になりますが、ピアノの先生の紹介でピアノを購入する場合、販売店から先生へ、バックマージンが入るという場合があります。
というか、先生の紹介の場合ほとんどがそうだと思います。
なので、バックマージン分考慮しての値段になるので、値下げ交渉が難しくなってしまいます。
先生の紹介は、気を付けてくださいね。
新品ピアノはどのような方におすすめか?
新品ピアノは、先ほどもお話しましたが「誰が使ったわからにピアノを使うのは抵抗がある」という思いは、外せないという方にはおすすめかと思います。
新品を買う場合は、デメリットをしっかりと理解した上で、購入していただきたいです。
あとは、音大を目指している方や、音大生、ピアノの先生は、ピアノを弾く頻度がかなり多く、消耗部品の消耗も著しいので、新品のグランドピアノをおすすめします。
音大生の方で、アップライトピアノを購入されるという方は、かなり少数だと思いますが、購入するなら、高級モデルをおすすめします。
中古ピアノはどのような方におすすめか?
中古ピアノは、電子ピアノとアコースティックピアノかどっちにしようか迷われている方は、予算を少し足せば、購入できる値段になるのでおすすめです。
しかし、20万前後で販売されているピアノは、品質が怪しいです。(KAWAIのCITY LIFEとか)
安い値段で購入するのであれば、YAMAHAの1970年代~1990年までのUシリーズがお手頃で品質も安定していて、おすすめです。
30万円前後かと思います。
しかしこの年代の比較的安い中古ピアノは、とても人気なので、最近では在庫が少なくなってきているようです。
私が中古ピアノをおすすめする理由
これはやはり品質です。
私自身が、中古のものでも気にしないということもありますが、新品よりも品質が断然いいからです。
逆に新品は、高い割に品質もよくない、音も悪い…やはりおすすめする気持ちにはなりません。
最近の中古は、パッと見ると新品に見えるほどきれいに手入れされている販売店が多いです。
内部まできちんとメンテナンスもしてあれば、ほぼ新品同様といってもいいぐらいではないでしょうか?
なので、新品でないと…という方も、販売店に足を運んでみて、ぜひ内部までチェックしてみて、これなら大丈夫と思えるようなピアノに出会えることもあるかと思います。
散々新品を叩いてしまいましたが、もちろん新品でもいい部分もあります。
安い新品ピアノでも、メンテナンス次第でいいところまでもっていけることもありますし、なにより、中古ピアノよりも価値があります。
お子様がピアノをすぐにやめてしまった場合でも、中古ピアノよりは高く売れるという利点もあるので、じっくり検討してくださいね。
先ほどもお話した通り、販売店の店員の方の言いなりにならないように、ご自身の意思をしっかり持って、ピアノを探してください。
それと、新品でよくわからないメーカーが、安く販売されていたりしますが、絶対にやめておいてください。
そういうピアノは、自社で作っている製品が多いので、売り上げの全部がその業者に入るので、かなりセールストークしてくると思います。
はっきりいって、あと何年もつかわからないような、粗悪品だと思ってください。
ピアノ購入の際に、消音機能や自動演奏機能などについても、検討している方もいらっしゃるかと思います。
以下の記事を参考にしてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ピアノは新品と中古の違いは、値段と品質ということでした。
私の個人的なおすすめは、品質がよくて、安価の中古ピアノです。
ただし、中古ピアノには販売店の修理のスキルによって、良し悪しがありますので、見極めが必要になってきます。
そこが難しいですので、信頼できる調律師の方にアドバイスをもらうといいと思います。
「未使用のものがいい!やっぱり新品でないと!」という方もいらっしゃるかと思いますが、デメリットをしっかり理解した上で、購入してほしいなと思います。
以上、ピアノは新品と中古のどちらがおすすめ?違いはなに?と題してお届けしました。