グランドピアノのサイズはどれぐらいなのでしょうか?
グランドピアノは、小さいサイズから大きいサイズまであります。
大きさが違うとなにか変化することはあるのでしょうか?
部屋のサイズに見合ったグランドピアノも紹介します!
今回は、グランドピアノのサイズは?大きさによる違いを比較!と題してお届けします。
目次
グランドピアノのサイズは?
グランドピアノのサイズを具体的に見ていきます。
ヤマハの型で紹介していきます。
だいたいどのメーカーも似通ったサイズ感になっています。
高さ | 幅 | 奥行き | |
A1、Z1、GB1K | 99~101cm | 146cm | 149~151cm |
G1、C1 | 101cm | 148~149cm | 160~161cm |
G2、C2 | 100~102cm | 147~149cm | 169~175cm |
G3、C3 | 100~102cm | 147~149cm | 181~187cm |
G5、C5 | 100~102cm | 148~154cm | 196~200cm |
C6 | 102cm | 154cm | 212cm |
G7、C7 | 100~102cm | 154~155cm | 223~227cm |
アルファベット=シリーズ、数字=サイズと認識してください。
「C」が年式が新しく、「G」が年式が古いタイプです。
数字が大きくなるにつれて、奥行きが長くなっています。
現行モデルは、Cシリーズで、C1X、C2X……というように、最後にXがついています。
この最後のアルファベットも年式によって変わったり、最後のアルファベットがない年代もあります。
高さと幅はさほどタイプによって差はありませんが、奥行きが大きく違います。
家庭用のピアノでよく使われるのは、G3、C3タイプまでの小さいサイズを選ばれる方が多いですね。
C5~C7タイプの機種は、稀に調律で見かけることはありますが、一般家庭では、ほとんどありません。
住宅事情を考えると、3型ぐらいが無難でしょう。
ちなみに、ヤマハの上位機種のサイズがこちらです。
高さ | 幅 | 奥行き | |
S3X | 101cm | 149cm | 186cm |
S6X | 102cm | 154cm | 212cm |
CF4 | 102cm | 151cm | 191cm |
CF6 | 102cm | 154cm | 212cm |
CFX | 103cm | 160cm | 275cm |
CFXがフルコンサートグランドといって、大きいコンサートホールで使われるグランドピアノです。
グランドピアノの大きさによる違いを比較!
上記で紹介したように、グランドピアノのサイズはたくさんあります。
大きさによる違いは、どんなことがあるのでしょうか?
部屋に見合った、サイズを選ぶということも大事なので、ぜひ、最後までご覧ください。
グランドピアノの大きさによる違い
グランドピアノの大きさによって、どういう違いがあるのか、比較しながら見ていきましょう。
違いは、こんな感じです。
- 弦の長さ
- 響板の大きさ
- 鍵盤の長さ
- 側板の厚み
詳しく説明していきます。
弦の長さ
グランドピアノの弦は、弾く側からみて手前から奥まで張られています。
奥行きが長くなると、もちろん弦が長くなります。
音の伸びがよくなり、音に深みが出て、奥行きがでます。
アップライトピアノと比べると、弦の長さも長く取れるので、特に低音で、響きの違いを感じていただけるかと思います。
コンサートホールなどでは、大きいグランドピアノが使用されますが、やはり、弦が長い分、音の伸びもあり、迫力も出て、聴いている方も、演奏している方も心地よい気持ちになります。
先ほどちらっとお話した、最新のヤマハのフルコンサートグランド「CFX」がこちらです。
出典:https://jp.yamaha.com/products/contents/pianos/grand_pianos_jp/about_cfx/index.html
奥行きが2メートル75センチなので、弦はものすごく長いです。
小さめのグランドピアノに比べると、音量も圧巻の響きですよ!
響板の大きさ
ピアノの裏側には、響板というスピーカーの役割を担う響板という大きな木の部品があります。
ピアノは、ハンマーで弦をたたき、弦を振動させ、その振動は駒という部品を経由して、響板へ振動を伝えて、音を響かせています。
響板は大きい方が、小さい音から、大きい音まで鳴らすことができます。
よって、グランドピアノの大きさが大きいほど、音量の幅が広がり、表現がしやすくなります。
グランドピアノの響板は、アップライトピアノよりももちろん大きい面積なので、より表現の幅を広げて演奏することができます。
鍵盤の長さ
グランドピアノの鍵盤も、アップライトピアノ同様、奥に続いています。
アップライトピアノと同じように、支点があり、シーソーのように支点を軸に鍵盤が動きます。
この支点までの距離が長いほど、演奏している人の力加減が伝わりやすくなるため、表現がしやすくなります。
側板の厚み
出典:https://jp.yamaha.com/products/contents/pianos/grand_pianos_jp/about_cfx/index.html
上部の画像のように、斜線でしめしているところが側板(がわいた)です。
この側板がグランドピアノのサイズによって厚みが変わります。
大きくなると厚みが増えて、グランドピアノの強度を保つことができます。
この側板も木材でできているため、弦の振動が側板に伝わり、バランスよく音を響かせることができます。
グランドピアノは、本体全てで、音を奏でているのです。
部屋の広さに見合ったおすすめのグランドピアノのサイズ
グランドピアノを置くとなると、だいたいは、一部屋を全てをピアノの部屋にするという家が多いかと思います。
防音室にグランドピアノを置く場合も多いかと思いますので、3畳の部屋から紹介していきます。
何畳でどのぐらいのサイズのグランドピアノを置くことができるのかも、気になりますよね。
サイズによって音量も変わりますので、部屋の大きさに見合ったピアノを置かないと、人が通れなくなったり、うるさくて大変なことになりかねません。
部屋の大きさに見合ったピアノの大きさのおすすめを紹介していきます。
3畳の部屋に設置できるグランドピアノ
3畳の大きさだと、だいたい防音室にグランドピアノを設置するケースですね。
3畳であれば、単純に考えると、G3やC3までのサイズのグランドピアノは入りますが、椅子を置くスペースや、人が通るスペースも確保できません。
あと、部屋のドアの開け閉めも、ドアが部屋の方にに開く場合、ドアを開け閉めすることもできません。
なので、A1、Z1、GB1K、G1、C1、G2、C2 etc…
このぐらいのサイズのグランドピアノなら、椅子に座るスペースは出てきます。
ただ、壁ギリギリのなるので、弾く側のスペースはあっても、その他のスペースは人が通れない状態になっていしまいます。
ドアが部屋の方に開く場合は、開け閉めできなくなる可能性もあるので、気を付けてください。
音量は、1型2型ぐらいのサイズであれば、うるさくなりすぎることもないでしょう。
4畳の部屋に設置できるグランドピアノ
4畳あれば、G3、C3までのサイズのグランドピアノを設置できます。
音も自然に広がってくれるかと思います。
先ほどの、C1やC2のサイズも4畳あれば、余裕をもって設置できるかと思います。
私は、グランドピアノを置くなら4畳以上のスペースはほしいなと思っています。
4.5畳の部屋に設置できるグランドピアノ
このぐらいの大きさになるとG5、C5、C6のグランドピアノも設置できます。
ただ、C5やC6タイプになると、音量はかなり大きいです。
強いて言えば、もう少し広い部屋の方が、音量的には望ましいかなと思います。
一般家庭で、このサイズのグランドピアノをお持ちの人は、なかなか見ません。
ホールやサロンでのおすすめのグランドピアノ
やはり、一番いいのは、フルコンサートグランドの「CFX」ですね。
CFXのランク下の機種、CF4やCF6もヤマハの上位機種ですし、いいと思います。
SXシリーズもおすすめです。
ですが、結構値段が高めなので、先ほど紹介した、C5やC6、C7でも十分響かせることはできるかと思います。
グランドピアノを置く際の注意点
調律をするときに、大変なことになることがあるので、気を付けていただきたい点があります。
①グランドピアノのペダル付近にものを置きすぎない
②グランドピアノの右側と壁との間に人が通れない場合、グランドピアノの右側のくぼみのスペースは人が入れるように空間はあけておく。
③防音室に置く場合、グランドピアノの大屋根を解放できる高さに設定する。
①グランドピアノのペダル付近にものを置きすぎない
グランドピアノの下の空間、物置にされがちですが、ペダル付近にものを置くのはできるだけ避けていただきたいです。
ペダルの不具合が出た時に、調整ができなくなってしまいますので、ペダルの付近にはものを置くのは避けてください。
通気性の面も考えて、グランドピアノの下には、可能な限りものを置かない方がいいですよ。
②グランドピアノの右側のくぼみのスペースは人が入れるように空間はあけておく。
調律をするときに、グランドピアノの大屋根を解放します。
その際、通常は右側のスペースから、大屋根を持ち上げて解放します。
しかし、部屋が狭く、グランドピアノの右側のスペースが壁などで、人が入れない場合、グランドピアノの下をくぐって、グランドピアノのくぼみのところに行って、大屋根を解放します。
力のある男性調律師であれば、弾く側から大屋根を持ち上げて解放する方もいますが、女性調律師の場合は難しいことが多いです。
右側にスペースがない部屋で、グランドピアノのくぼみのところがものでいっぱいで、大屋根を解放することだけで、時間がかかったことがあります。
ぜひ気を付けていただきたいです。
③グランドピアノの大屋根を解放できる高さに
大屋根を解放しないと基本的に調律はできませんので、防音室などの工事をする際は、高さも気にしてください。(できないことはありませんが…)
あと、照明なども、大屋根を開ける際、ひっかかる可能性がありますので、防音室でない、普通の部屋でも、グランドピアノの上部は、気を付けていただきたいです。
私ではないのですが、ピアノの上に、垂れさがっているタイプの照明があるところで、グランドピアノの大屋根を勢いよく開けて、照明を割ってしまったことがある調律師がいたそうなので…気をつけたいです。
想像すると恐怖です。(笑)
グランドピアノのサイズのまとめ
グランドピアノのサイズは様々です。
一般家庭でよく使われているグランドピアノは、G3やC3までのサイズのものです。
小さいサイズでいうと、現行モデルだとGB1Kは、こぶりのグランドピアノなので、3畳ぐらいあれば、設置できます。
グランドピアノの大きさが違うと何が変わるかについては、大きく変わるのは、やはり弦の長さです。
小さいグランドピアノでも、アップライトピアノと比べて弦が長くなりますので、深みのある音色を響かせることができます。
グランドピアノは、部屋の広さによっても、サイズを選別した方がいいと思います。
以上、グランドピアノのサイズは?大きさによる違いを比較!と題してお届けしました。