ピアノを購入したいと思っている方は、やはり、大きな買い物だし、失敗したくないと思いますよね。
失敗しないようにするために気をつけたいことを、知っておくと安心ですよね。
初心者向け、趣味で弾くピアノの選び方の注意点や、後悔しないメーカーがあるのかについても、詳しく紹介していけたらと思います。
今回は、ピアノ購入に失敗しないためには?初心者向けの選び方の注意点や後悔しないメーカーはある?と題してお届けします。
ピアノ購入に失敗しないためには?
ピアノを購入するのに、失敗しないようにするためには、気をつけたいことはなんなのでしょうか?
私は、過去にピアノ販売員を経験し、納品後の調律、その後の定期調律にも行ったりするので、様々なお客様の声をお聞きしています。
その経験を踏まえて、紹介していけたらと思います。
よくある勘違い
ピアノを見に来られるお客様は、勘違いされていることが多くあります。
- 中古よりも新品の方がいい
- プロになるわけではないから電子ピアノで十分
- いつまで続くかわからないからアップライトピアノ(縦型のピアノ)はちょっと…
- アップライトピアノは重量が大きくてうちでは無理
- ピアノの先生はピアノのことをよく知っている …etc
箇条書きにすると、こんな感じです。
ひとつずつ、紹介していきましょう。
①中古よりも新品の方がいい
中古よりも新品の方がいいと思われがちですが、ピアノの場合、そうでもありません。
私個人的には、中古の方がいいと思います。
おそらくどの調律師に聞いても、中古の方がいいと答えると思います。
理由は、現行の新品よりも、年数がたっている中古の方が、いい材料を使用していることが多いからです。
「中古はすぐに悪くなりそう」と思われることがありますが、ピアノは、寿命が非常に長いので、相当古いピアノでない限り、気にする必要はありません。
「中古は、前の持ち主の癖がついているから、よくない。」
これは、ピアノの先生がよく仰ることですが、大丈夫です。
癖は、調律師の調整、修理でなおりますし、むしろ、新品よりも音色がそろっているので、違和感なく弾けます。
新品は、ハンマーが新しいので、音が不安定になっていることがあります。
新品ピアノは、たくさん弾いて、調律師が音色を何度も調整して…という工程が必要で、音を整えるために、数年かかることもあります。
中古の場合、いいか悪いかを見極めることが必要ではありますが、その説明については、以下のブログ内で詳しく紹介していきます。
②プロになるわけではないから電子ピアノで十分
「プロになるわけではないから…」こちらは、お店にピアノをみにこられるお客様約90%がおっしゃる決まり文句です。
おっしゃるお気持ち、本当によくわかります。
しかし、ピアノの上達は、自宅での練習が肝なのです。
電子ピアノは、サンプリングされた音源がスピーカーからなります。
対して、アコースティックピアノは、鍵盤に加わった力が、複数の部品を通過して、ハンマーへ届き、ハンマーが弦を叩いて音をならします。
この違いわかるでしょうか?
ハンマーで叩くと表現しました。
ピアノは、ある意味打楽器なのです。
なので、鍵盤を指で押さえる力加減で、無限の音色を出すことができます。
対して電子ピアノは…、サンプリングされた音源なので、誰が弾いても同じ音が響きます。
電子ピアノも多少、音色の変化はありますが、アコースティックピアノには、叶いません。
楽譜が読めるようになればいい…とお考えの方も多いかもしれませんが、ピアノが弾けても音色はなんでもいいというわけではありませんよね。
単に弾けるようになるだけでなく、どんどん上を目指せる環境を作ってあげることも大事だと思います。
プロになる、ならない関係なしにです。
③いつまで続くかわからないからアップライトピアノ(縦型のピアノ)はちょっと…
いつまで続くかわからない問題も、よくお客様がおっしゃることです。
だいたい、上記の②と同じ説明になりますね。
電子ピアノと生ピアノは、仕組みが全く異なるので、ピアノの経験者からすると、電子ピアノを弾いている感覚は、別ものの楽器を弾いている感覚なのです。
なので、電子ピアノで練習しても、レッスンで使用しているピアノとの違いがありすぎて、レッスンでうまく弾けないということになります。
いっぱい練習したのに、上手く弾けなくてつまづいてしまうと、ピアノの楽しくなくなって、やめてしまうことに繋がりやすいです。
アップライトピアノは重量が大きくて無理
アップライトピアノとは、縦型のピアノですが、アップライトピアノの重量、かなり重いのでは?思ってる方が、結構多いです。
しかしながら、アップライトピアノの重さは、案外重たくなくて、ざっくり200~250kgの重量です。
数字でいうと、重たそうに思われるかもしれませんが、この重さ、成人男性3~4人の重さぐらいです。
男性が4人いるだけで、床が抜けてしまうと、人が住めない家になってしまいますよね。
なので、アップライトピアノであれば、床補強もしないで、基本的に設置できますよ。
⑤ピアノの先生はピアノのことをよく知っている
ピアノを選びに来たお客様が、「ピアノの先生に聞いてみます」というのも90%ぐらいの確率でおっしゃいます。
これも勘違いなのですが、ピアノの先生は、「ピアノを弾くことを極めたプロ」「ピアノを教えるプロ」であり、ピアノの内部のことはほとんど知らないという方がほとんどです。
ピアノのことを知り尽くしているのは、「ピアノ調律師」です。
ピアノの先生にアドバイスを受ける際は、予め知っておいた方がいいことが、結構あるので、よければ、以下の記事を参考になさってください。
新品でも中古でもピアノの内部を確認
ピアノを購入する際は、新品、中古に関わらず、ピアノ内部を直接見せてもらうようにしましょう。
中古の場合、まれに、外装面だけきれいに修理していて、内部はなにも手を付けず、そのまま販売していることがあります。
新品の場合も、木材に割れ目が入っていたり、販売店、あるい保管倉庫の温度、湿度管理が行き届いていなくて、カビやサビが発生していることがあります。
新品の場合、展示商品でなく、倉庫などにある在庫からの納品されることが多いので、納品される現物を見せてもらえるなら、見せてもらいましょう。
倉庫などの在庫を見せてもらえない場合は、展示品の状態がよければ、展示品を納品してもらうようにお願いしてみてください。
そうはいっても、実際は、お客様の意に反して、「ばれるわけない」といって、倉庫から納品されることがあります。
私が販売員をしていたころ、現物がほしいというお客様がいらっしゃいましたが、上司が「絶対ばれないから大丈夫」と、倉庫から納品していたことが実際にありました。
他のピアノを確実に納品してもらうには、アップライトピアノであれば、上の蓋を開けたら見える、製造番号を把握しておけばOKです。
ネットやオークション・フリマアプリで買うのは…
ピアノは、販売店だけでなく、ネットでも購入することができます。
しかし、ネット・オークション・フリマアプリで購入することは、やめておいた方がいいです。
ピアノは、実物を見ないで購入すると、実際届いてから弾いてみると、思っていた音色と違ったり、中を開けてみると、消耗部品が全く交換されていなかったりするからです。
調律もろくにしていない場合も少なくないので、安く買えても、調律代や、内部の消耗部品の交換などで、結局高くついてしまうことが多いです。
保証もついていないので、買った直後、なにかあっても、自己責任になります。
期間限定で開催されるピアノ展示会・セールでの注意点
ピアノ販売店では、定期的に期間限定のセールを開催していることがあります。
広い倉庫や展示場で行われることがあり、かなりの台数の中から、ピアノを選ぶことができます。
しかし、早めにいかないと、いいピアノはどんどん契約が決まっていき、お気に入りのピアノが見つからないということがあります。
しかも、期間限定ということもあって、取り置きはしてもらえないことが多いでしょう。
取り置きしてもらえても、次の日の朝一までに返事しないといけないことが多く、ゆっくりと検討する時間がほとんどないのです。
ただ、初日の午前中に行けば、在庫がたくさんあるので、豊富な在庫の中から、選ぶことができると思います。
期間限定の大規模なセールなどに行く場合は、早めがいいでしょう。
初心者向けの選び方の注意点や後悔しないメーカーはある?
ピアノを習い始めると、やはり自宅にピアノが必要です。
いくら小さいお子様でも、全くピアノの経験のない大人の方でも、やはり自宅で練習する必要があります。
初心者向けのピアノ、あるいは、趣味で弾くためのピアノの選び方についてと、絶対に後悔しないメーカーについて紹介していきたいと思います。
初心者の方に最適なピアノとは?
初心者の方が弾くピアノは、どんなピアノが最適なのでしょうか?
まず、レッスンに行っている場合のピアノについて紹介します。
初心者の場合、子ども用でも大人用でも、電子ピアノでいいんじゃない?と思われる方が多いと思うので、本当のところどちらがいいのか、説明していきます。
電子ピアノかアップライトピアノどっちがいいの?(レッスンをしている場合)
初心者でレッスンに通っていて、電子ピアノかアップライトピアノどちらがいいのかというと、縦型のアップライトピアノが最適です。
初心者で、特に子どもが弾くという場合、値段もお手頃な電子ピアノを選びがちですが、先ほどもお話したように、電子ピアノとアコースティックピアノの差は、雲泥の差です。
どうしても住宅環境で設置できない場合は、電子ピアノで対応するほかありません。
しかし、「続けてほしい」あるいは「続けたい」という気持ちがあるのなら、ぜひ、アップライトピアノを選んでください。
選び方
初心者の方のピアノの選び方は、わからなくても、とりあえず、お店にあるピアノを全部音をならしてみてください。
「ポロンポロン」と軽く弾くのではなく、一音一音確かめるように、椅子に座ってしっかり弾いてみてください。
だんだん、わからないなりに、音の違いやタッチ(弾き心地)の違いがなんとなく分かってくると思います。
小さいお子様の場合は、なかなか集中して選んでくれない場合がありますので、まず、親が数台目星をつけて、どれがいいか、弾き比べてもらうのがいいと思います。
お子様用のピアノを選ぶ場合、練習で弾くのはお子様ですので、最後は、お子様に選んでもらうようにするのがいいです。
例外
大人の方場合、電子ピアノでも対応できることが多いようです。
しかし、レッスンに通われるのであれば、表現力の練習も求められてくると思うので、アップライトピアノがあった方が、上達できると思います。
大人の方なら、練習していくうちに、アコースティックピアノがほしくなる気持ちがわいてくると思います。
注意点
注意点としては、たくさんありますが、一番お伝えしておきたいことは、「安すぎるピアノは選ばない」ことです。
ピアノセールなどに出向くと、目玉商品として、激安ピアノがドーンと目立つように販売されていることが多いです。
中古で、20~25万円程度の価格帯のピアノが、目玉商品として用意されることが多いです。
最初は電子ピアノがいいと思っていたけど、販売員の説明を聞いて、アップライトピアノに気持ちが変わって、アップライトピアノを探し始めた方には、かなり惹かれるピアノだと思います。
しかし、安すぎるピアノは、やはり、値段が安いだけ、品質もガクンと劣ります。
音も薄っぺらいおもちゃのような音で、後々雑音が出てきたり、不具合も起こりやすいです。
調律で調整できるとはいえ、調整できる範囲も限界がありますので、激安ピアノには、注意してください。
趣味で弾くピアノ(独学で弾く)
趣味で弾くピアノの場合は、どのようなピアノを選ぶのがいいのでしょうか?
ここで説明する「趣味で弾くピアノ」は、「レッスンに通わないで、独学でピアノを弾く」という前提で、説明していきます。
お子様と大人の方とでは、おすすめするピアノの種類が少し変わってきますので、詳しくみていきましょう。
お子様向け
趣味で弾くお子様向けのピアノは、電子ピアノでもいいと思いますが、やはり、弾くときの指の形を正しく身につけるには、独学では、限界があるように思います。
独学で弾くことも無理ではないと思いますが、電子ピアノだと、変な弾き癖が付きやすいので、できれば、趣味でもアップライトピアノで練習なさった方がいいと思います。
大人の方向け
趣味で弾く大人向けのピアノは、電子ピアノで大丈夫だと思います。
全くピアノのご経験がない場合は、短期間でもレッスンに通われた方がいいと思います。
ご経験がある程度ある方なら、電子ピアノで好きな曲を弾いて、楽しめるかと思います。
選び方
選び方は、初心者の方の選び方と同様で問題ありません。
ポイントは、しっかり弾いてみること。
電子ピアノでも同じです。
電子ピアノの場合、電子機器なので、アコースティックピアノと違って、同じ機種だと、個体差はほとんどありません。
展示品で弾いてみて、気に入ったものを、新品で納品してもらって、問題ありません。
ちなみに、調律師の私がおすすめする電子ピアノはKAWAIのCAシリーズです。
絶対に失敗しないピアノメーカーはある?
絶対に失敗しないピアノメーカーがあれば、知りたいとだれもが思うと思いますが、残念ながら、これ!というピアノメーカーを紹介することは、難しいです。
強いて言うなら、YAMAHAですが、YAMAHAはYAMAHAでも、粗悪なピアノも正直ありますので、何とも言えないのです。
個人的におすすめは、新しすぎないYAMAHA、具体的には、1990年より以前の中古ピアノがいいかなと思います。
ただ、古すぎてもよくありませんし、しっかりメンテナンスされているものに限ります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ピアノ購入に失敗しないための注意点を紹介しました。
おすすめは、初心者の方でも中古のアップライトピアノ。
もちろん、ご予算や住宅環境でどうしても難しい場合は、電子ピアノでもOKです。
趣味で弾く場合は、レッスンに通う場合は、趣味程度でもアップライトがおすすめ、本当に独学なら、電子ピアノでもいいと思います。
選び方の注意点としては、お店に出向いて、しっかり弾いてみることです。
後悔しないメーカーは、強いて言うなら、YAMAHAですが、YAMAHAでもおすすめできない商品もあるので、なんとも言えないです。
以上、ピアノ購入に失敗しないためには?初心者向けの選び方の注意点や後悔しないメーカーはある?と題してお届けしました。