グランドピアノの鍵盤数の標準は何鍵なのでしょうか?
ピアノは、最大で何鍵のピアノが存在するのかどうかも気になりますよね。
鍵盤の数え方や、白鍵と黒鍵の数もしっかりと確認していきたいと思います。
アップライトピアノの鍵盤の秘密も出てきますので、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。
今回は、グランドピアノの鍵盤数の標準と最大は?アップライトの場合や数え方も紹介!と題してお届けします。
目次
グランドピアノの鍵盤数の標準と最大は?
結論から言うと、グランドピアノの鍵盤数の標準は88鍵です。
日本のメーカーのピアノには、その標準以上のピアノはありません。
なぜ88鍵が標準なのか
ピアノの鍵盤は、もともと88鍵あったわけではなく、発明当初は、54鍵しかありませんでした。(1709年、イタリアのクリストフォリによるクラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ)
音楽の発展とともに、作曲家の要望に応えていき、18世紀後半には61鍵、1800年ごろ68鍵、1820年ごろ78鍵という風に、どんどん増えていきました。
最終的に88鍵になったのは、1890年ごろのことでした。
鍵盤数が88鍵で落ち着いた大きな理由として挙げられるのが、88鍵以上の音域は、人間が聞き取ることができないからということです。
人間の聞き分けることができる音域の範囲というのが、約20~4,000ヘルツまでと言われています。
88鍵のピアノは、7オクターブと長3度で、*27.5~4,186ヘルツなので、人間が聞き取れる音程の範囲におさめられていることがわかります。
仮にこれ以上、ピアノの鍵盤数を増やしても、人間の耳には、低音はゴロゴロという唸り(うなり)に、高音はキーンと耳障りなノイズとしか聞こえなくなります。
こうなってくると、音楽的に意味をなしませんよね。
*調律のピッチがA=440の場合
鍵盤数最大のピアノ
鍵盤数最大のピアノは、オーストリアのウィーンのメーカー「ベーゼンドルファー」というメーカーのピアノです。(2008年にヤマハの子会社になっていいます。)
このベーゼンドルファー、日本では、あまり見かけないメーカーで、聞いたことがないという方が多いかと思いますが、世界三大ピアノメーカーのひとつです。
ちなみに世界三大ピアノは、スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーの3社です。
残念ながら、日本で有名なヤマハは入ってないんですね。
話がそれましたが、一番ピアノの鍵盤数が多いピアノは、ベーゼンドルファーのモデル290「インペリアル」というフルコンサートグランドピアノです。
標準の88鍵の低音にさらに、9鍵拡張されていて、97鍵のグランドピアノが、鍵盤数最大のピアノです。
標準のピアノの最低音は、「ラ」ですが、さらに低い「ド」まで鍵盤があります。
この9鍵拡張されている部分を、「エクステンドベース」といいます。
出典:https://www.boesendorfer.com/ja/pianos/pianos/Concert-Grand-290-Imperial
画像は、ベーゼンドルファーのフルコンサートグランドインペリアルです。
低音の拡張されているところの鍵盤は、白鍵のところが黒く塗られています。
演奏者が混乱しないように、黒く塗りつぶされているようです。
よく見ると、鍵盤蓋のロゴも普通のピアノと同じ場所にあるので、ロゴが右にずれて見えますよね。
しかし、ペダルはピアノの中心にあるので、違和感を感じる演奏者もいるみたいです。
なぜ鍵盤が拡張されたのか
なぜ、このインペリアルが鍵盤が拡張されたのかというと、イタリアの作曲家ブゾーニからの提案だったといいます。
ブゾーニがオルガン曲を編曲したときに、低音部にピアノでは出せない音があったために、低音を拡張したピアノの制作にいたったようです。
鍵盤が拡張されることで、音の響き方にも影響されます。
鍵盤が拡張された分、響板というピアノのスピーカーを担う木材の面積が大きくなり、共鳴する弦も増えるので、中低音の響きが豊かになります。
ベーゼンドルファーは、97鍵のグランドピアノの他に、モデル225の92鍵のグランドピアノもあります。
この拡張された鍵盤ですが、演奏でほとんど使うことはありませんが、ドビュッシーやラヴェルなどが作品の中で、拡張鍵盤が活躍しています。
ここ最近知ってびっくりしたのが、SEKAI NO OWARIの楽曲で、ベースの代わりに、このベーゼンドルファーのインペリアルの拡張鍵盤を使用して、レコーディングされている曲があるようです。
スノーマジックファンタジーなどで、このピアノが使われているようなので、気になる方は、低音に耳を澄ませて聞いてみてくださいね。
アップライトの鍵盤数や数え方も紹介!
グランドピアノの鍵盤数の標準は、88鍵ということでしたが、アップライトピアノの鍵盤数の標準は、何鍵なのでしょうか?
ピアノの鍵盤数の数え方がわからないという方、いらっしゃるかと思います。
説明していきましょう!
アップライトピアノの鍵盤数
アップライトピアノの鍵盤数も、グランドピアノと同じくで、88鍵が標準です。
かなり年数のたった、ヤマハとカワイのアップライトで、85鍵程度の、高音が少ない鍵盤数のピアノを、見たことがありますが、ほとんどが、88鍵です。
鍵盤の数え方
鍵盤の数え方はいたって簡単です。
鍵盤の単位は、すでに前述していますが「〇鍵」です。
白鍵と黒鍵を全て合わせた数なので、以下のように数えていきます。
現在のアコースティックピアノの鍵盤数は88鍵が標準です。
先ほどお話した、ベーゼンドルファーの93鍵と97鍵のグランドピアノがあったり、古いピアノには85鍵のものも、現在も存在しています。
電子ピアノも、基本的に88鍵のものがほとんどです。
キーボードの場合、32鍵、49鍵、61鍵、76鍵、88鍵と、いろいろな鍵盤数のものが販売されていて、ちょうどいいサイズのものを選べるようになっています。
白鍵と黒鍵の数
88鍵のピアノの場合、白鍵が52鍵、黒鍵が36鍵です。
97鍵のベーゼンドルファーのインペリアルは、白鍵が57鍵、黒鍵が40鍵になります。
アコースティックピアノの鍵盤
少し余談になりますが、アコースティックピアノ(グランドピアノやアップライトピアノ)は、鍵盤が奥まで続いており、鍵盤の木部に番号が刻まれています。
このような感じで、1~88まできちんと番号が刻まれています。
知る人ぞ知る、マニアックな豆知識ですが、「おお!すごい!」と思いませんか?
私はこれを初めて発見したとき、素直にすごいと思ったので。(笑)
上記の画像のように、数字のハンコがおしてあったり、数字が型押しされているピアノもあります。
型押ししている鍵盤で、手元にある画像がこれしかなく、荒い画像でわかりにくくて、すみません。
修理の時などに鍵盤をばらすので、その時にわからなくならないように、数字が刻まれています。
グランドピアノの鍵盤数のまとめ
いかがだったでしょうか?
アップライトピアノとグランドピアノの鍵盤数の標準は、88鍵でした。
最大の鍵盤数のピアノは、ベーゼンドルファーのフルコンサートグランドピアノのインペリアルで、97鍵です。
鍵盤の数え方については、いたって簡単で、白鍵も黒鍵もどっちも含めて数えていきます。
白鍵と黒鍵の数は、88鍵のピアノの場合、白鍵が52鍵、黒鍵が36鍵です。
97鍵のベーゼンドルファーのインペリアルは、白鍵が57鍵、黒鍵が40鍵になります。
以上、グランドピアノの鍵盤数の標準と最大は?アップライトの場合や数え方も紹介!と題してお届けしました。