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ピアノのお手入れ

ピアノの乾燥剤は必要かどうか紹介!入れ方や価格や除湿機のおすすめは?

ピアノの乾燥剤は必要かどうなのかや入れ方や価格など紹介!除湿機のおすすめはどれ?

ピアノの中に入れている乾燥剤、本当に必要か?意味あるの?と思われている方、いらっしゃるのではないでしょうか?

乾燥剤の価格は、どれぐらいが相場なのでしょうか?

相場より高い金額で買ってしまっている方いらっしゃるかもしれません。

再利用が可能ということや代用できるものがあるというのも聞いたことありますが…果たして…。

ピアノの湿度管理はどのようにすればいいのか、おすすめの除湿機についても、詳しく説明していきます。

今回は、ピアノの乾燥剤は必要かどうか紹介!入れ方や価格や除湿機のおすすめは?と題してお届けします。

 

ピアノの乾燥剤は必要かどうか紹介!

ピアノの乾燥剤は必要かどうなのかや入れ方や価格など紹介!除湿機のおすすめはどれ?

ピアノは非常に湿気に弱いので、湿度管理は必須です。

理想とする湿度は、40~60%です。

ちなみに、温度も気にしていただきたいのですが、温度は、15~25度が最適です。

そして、その湿度管理を乾燥剤で果たしてできるのか?ということですね。

 

ピアノの乾燥剤の種類

シリカゲルには、A型とB型があります。

A型は、主に食品や電子部品などに使われる乾燥剤で、低湿度時の吸水力に優れています。

吸湿容量がいっぱいになるまで、吸湿し続けます。

B型シリカゲルは、バイオリンなどの楽器や、押し入れやタンスなどの調質剤として使われる乾燥剤です。

高湿度時の吸水力に非常に優れていて、湿度が下がると、自力で放出します。

ピアノに使われている乾燥剤はB型シリカゲルが使われていることが多いです。

ただ、乾燥剤の効果はというと…以下をご覧ください。

 

ピアノに乾燥剤は効果があるのか?

ピアノにとって最適な湿度は、40~60%です。

その数値を乾燥剤で保てるかというと、実際のところ不可能なんですね。

ピアノには、無数の隙間があります。

よく観察していただければおわかりいただけるかと思います。

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アップライトだと、こんな感じです。

隙間だらけ。

ピアノの乾燥剤は必要かどうなのかや入れ方や価格など紹介!除湿機のおすすめはどれ?

グランドピアノでも、こんな感じですね。

鍵盤蓋と前かまち(鍵盤蓋を開けた際、鍵盤蓋が当たる面)には、まあまあ大きな隙間があります。

このように、ピアノには隙間がたくさんあるので、ピアノの中に乾燥剤を置いても、部屋の空気が常に往来しているので、ピアノ内部の湿度を変えることはできませんよね。

ピアノの除湿は、部屋全体の湿度を調整しないと意味がないのです。

実際に乾燥剤の入れる前のピアノ内部の湿度と、乾燥剤を入れた後の湿度を測定したことがあります。

その時の湿度は、梅雨で湿気の多い季節だったので、部屋が69%、ピアノ内部も69%ほど湿度がありました。

乾燥剤を入れて3時間後の部屋の湿度は64%でほぼ変わらない数値、ピアノ内部の湿度も64%で、ほとんど変化はありませんでした。

では、なんでピアノ用の乾燥剤が販売されているの?と思いますよね。

ピアノの調律業界では、古くからピアノの調律の際にに乾燥剤を販売する習慣があって、まだその風習が残っています。

そして、乾燥剤は原価が非常に安く高く売れるので、売り上げアップにつながりやすいんですね。

知らなくて、入れ続けていた方はショックですよね…。

会社や楽器店によっては、乾燥剤のノルマがあったりして、乾燥気味のお宅でも、乾燥剤を販売しているところさえあります。(私が以前つとめていた会社がまさにそうでした。)

売る方も罪悪感だらけです…。

いまだにお客様の中には、ピアノに乾燥剤は必要なものと思い込んでいる人も大勢いらっしゃるのですが、実際は気休め程度なのです。

どうしても、乾燥剤を入れておきたいという方は、ネットで安く購入した方が断然お得ですよ!

それと、ピアノ用でなくても、B型シリカゲルを購入すればピアノ用のものとまったく同じ成分ですので、それでOKです。

大容量のものを購入して、きめ細かいネットなどに入れて、ピアノの乾燥剤と同じように、ピアノの下においてください。

そして、B型シリカゲルは再生可能だそうです。

だいたいピアノ用の乾燥剤には、半年から1年で交換するように記載してありますが、天日干しや電子レンジなどで加熱をすれば、再利用できるようですよ!

そのまま干しておくのもいいですが、ステンレスのバットなどにのせて天日干しすると、より早く乾燥させることができるようです。

 

ピアノの除湿をするにはどうすればいいのか

乾燥剤がだめなら、どうするの?ということですが、部屋の湿度を変えられるものといえば、そう、除湿機やエアコンですね!

まず、正確な湿度計を用意してください。


ピアノの置いている部屋が、どのぐらいの1年を通して湿度かどれぐらいか把握しておく必要があります。

もし、1年を通して、40%~60%ぐらいの湿度であれば、部屋の換気をきちんとしておけば、除湿機も必要ないでしょう。

正確には、ピアノは乾燥しすぎもよくありませんので、加湿も除湿も両方できるタイプの除加湿機がいいです。

どうしても、除湿機などで湿度が変わらない場合は、ダンプチェイサーを取り付ける方法もありかと思います。

ダンプチェイサーについてはこちらをご覧ください。

 

ピアノ乾燥剤の入れ方や価格や除湿機のおすすめは?

ピアノの乾燥剤は必要かどうなのかや入れ方や価格など紹介!除湿機のおすすめはどれ?

ここからは、ピアノの乾燥剤の入れ方と価格の相場を紹介します。

そして、ピアノに適した除湿機はどのようなものがいいのでしょうか?

まずは除湿機の種類など、詳しく見ていきます。

 

乾燥剤の入れ方は?

乾燥剤の入れ方ですが、これは意外と簡単です。

少し危険が伴いますので、怪我のないように気を付けて行うようにしてください。

ピアノの下側にある板(下前板)を開けます。

ピアノの乾燥剤は必要かどうなのかや入れ方や価格など紹介!除湿機のおすすめはどれ?

画像の矢印のところにある、バネを上に押し上げて、板についている丸いつまみをもって、板を手前に引いてきてください。

だいたいのピアノの場合、手前に引いてきて、そのまま板を膝の上などに乗せることができます。

あまり勢いよくひいてきてしまうと、下についているダボが外れてしまうので注意です。

機種によっては、下前板の横幅が長く、両端手前にある足に板がぶつかってしまう場合があります。

あと、バネではなく、ネジで固定されている板もあります。

それらの場合は、無理せず調律師の人に入れてもらうようにしてください。

入れる場所はこちら。

ピアノの乾燥剤は必要かどうなのかや入れ方や価格など紹介!除湿機のおすすめはどれ?

だいたい2つ入れる場合が多いと思います。

赤く示した場所に置くのが一番スペースが広く置きやすいです。

黄色く示した場所に置くのもありですが、結構入れにくいです。

ペダルのパイプ(天秤)に当たるといけませんので、機種によっては、入らないこともあります。

難しければ、調律師の人に依頼してください。

注意点は、奥の響板という木材に乾燥剤があたらないようにしてください。

 

乾燥剤の価格

普通の乾燥剤は100円均一でもありますので、それほど高くはないかと思います。

ピアノ用の乾燥剤はどうなのでしょうか?

調律師の人が持ってくる乾燥剤は、だいたい2つセットで販売されていて、2つで2000~3000円ぐらいかと思います。

結構お高いですよね…。

私が以前つとめていた会社では、乾燥剤のノルマがありましたので(汗)、頑張って販売していましたが、お客様に「2つで3300円です」とお伝えすると「高級なんですね~」とつっこまれたことがあります。

はっきり申し上げますと、ネットで購入した方が断然安いですよ。

1つ1000円もしませんね。

 

除湿機の種類

除湿機の主な除湿方法は、コンプレッサー式・ゼオライト(デシカント式)・ハイブリッド式の3種類あります。

詳しく見ていきましょう。

 

夏に最適なコンプレッサー式

取り込んだ空気を冷やして結露させて、湿気を水に変えて除湿する仕組みです。

部屋の温度が高い夏場には、パワフルに除湿できて、省エネですが、温度が低い場冬場は、除湿力が落ちてしまうのがデメリットです。

稼働音が大きいです。

 

冬に最適なゼオライト(デシカント)式

乾燥剤のゼオライトに湿気を吸い込ませて除湿する仕組みです。

吸い込ませた水分は、ヒーターであたためられ、熱交換器内で冷やされて水滴になり、タンクにたまります。

ヒーターを使用するため、部屋の温度が上がるので、冬にはおすすめで、コンプレッサーがない分、コンパクトです。

ヒーターの影響で、部屋の温度が上がりやすいので、夏の仕様は不向きですし、消費電力が多くなり、電気代が上がります。

 

年中おまかせハイブリッド式

コンプレッサー式とゼオライト式の両方を兼ね備えている仕組みです。

高温時はコンプレッサー式、低温時はゼオライト式に自動的に切り替わるようになっています。

いいとこどりです。

高機能な分値段が高めで、本体が大型で場所取ります。

 

ピアノにおすすめの除湿機5選

上記の除湿機の種類を参考に、ご自身のお宅では、どの種類の除湿機が最適か、検討してみてください。

 

三菱電機 コンプレッサー式 衣類乾燥除湿機 ハイパワータイプ MJ-P180RX-W


こちらは、湿度が設定できるタイプなので、おすすめです。

値段も比較的安価です。

 

山善 衣類乾燥除湿機 コンプレッサー式 YDC-C60


こちらも湿度設定ができるので、おすすめです。

 

ダイキン DAIKIN 除加湿 うるるとさらら空気清浄機 MCZ70W


こちらは、除湿機ではありませんがおすすめの除湿兼加湿空気清浄機です。

値段はお高いのですが、除湿効果は抜群のようでおすすめです。

4段階で湿度設定可能です。

 

シャープ 除湿機 兼 加湿 空気清浄機 プラズマクラスター 7000 KC-HD70


こちらも空気清浄機がついたものです。

湿度は70%以上にはならないとのことなので、ちょっと湿度高めになってしまいますね。

しかし安心のシャープ。

最後は空気清浄機になっていしまいましたが、リビングなどにピアノを置いているご家庭が多いかと思いますので、空気もきれいになって、みんなが安心して過ごせますし、丁度いいかと思います。

 

ハイブリッド式

ハイブリッド式については、今のところパナソニックしか出ておらず、パナソニックは、衣類乾燥がメインですね。

お部屋の除湿も可能な機種もありますが、湿度70%以上で除湿スタートする設定と、40%をキープする設定しかないようで、ピアノには少し不向きかなぁと思います。

 

ピアノの乾燥剤のまとめ

ピアノの乾燥剤は必要かどうかは、びっくりだったという方もいらっしゃったのではないでしょうか?

実は、ほとんど効果はなく、気休め程度なんですね。

どうしても入れておきたいという方は、入れ方も簡単ですので、ネットで安く購入して、ご自身でいれてみてください。

再利用もできるとのことですので、わざわざ、調律師の人から買う必要はありませんよ!

そして、ピアノにとって重要なのは、温度湿度管理です。

温度は、できる限りエアコンを使用して、湿度は、除湿機で調整することがおすすめです。

除湿機は、可能な限り一日中ずっとつけておいた方がいいですよ。

以上、ピアノの乾燥剤は必要かどうか紹介!入れ方や価格や除湿機のおすすめは?と題してお届けしました。